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真説・カードキャプターさくら

1 :むぎゅっこ:2000/09/29(金) 02:25
私は一人の少女と共に暮らしている。
少女の名は木之本さくら。
少女は心を病み、自らの世界に閉じこもったまま。
今日も部屋の片隅でひざを抱え、幸せな夢を見ている。
彼女は時折、夢の中の出来事を私に話してくれる。
少女が自分の見た夢について話す。よくある話だ。
違うといえば、少女に夢と現実の区別がついていないことだけ…。
そして私は今日も夢の話を聞き続ける。
私にできることはそれだけなのだから…。

2 :むぎゅっこ :2000/09/29(金) 02:26

シチューをのせたトレイを左手に持ち、ドアを軽くノックする。
「………」
中から返事が聞こえてくることはない。いつものことだ。
「さくらちゃん、入るよ」
しばらく待ってから、そっとドアを開ける。
部屋は薄暗く、静かだった。そこにパジャマを着た少女の姿が見えた。
少女は部屋の隅にあるベッドに腰掛けていた。
少し俯きがちになり、無表情のまま、床の一点を見つめている。
「ほら、今日のごはんはシチューだよ」
そう言って、トレイを差し出してみる。しかし反応はない。
私は溜め息をつくと、トレイを机の上に置いた。
部屋には机と箪笥、そしてベッドが置いてある。
これらは皆、この少女の為に用意されたものだ。
しかしベッド以外の物を少女が積極的に利用することはほとんどない。


3 :むぎゅっこ :2000/09/29(金) 02:28
私は少女の目の前にしゃがみ込み、少女の瞳をのぞき込む。
私が目の前にいるのにも関わらず、その視線が私に合わさる様子はない。

「さくらちゃん…?」

少女の痩せた肩を軽く揺すりながら、優しく呼びかける。

「さあ、さくらちゃん。今日もお話を聞かせてもらえるかな…」

これはいつも行っている儀式。
この儀式を行わないと、彼女はこちらの世界に帰ってこない。

「今日は何のカードについて話してくれるのかな…?」

「カード…」

カードという言葉に反応し、少女の表情に徐々に変化が現れる。

「そう、また魔法のカードのお話を聞かせてくれないかな」

少女がようやく私を認識し、嬉しそうに微笑む。

「うん、いいよ…。えっとね、今日はね…」


4 :むぎゅっこ :2000/09/29(金) 02:29
そして少女は今夜も語り出す。

それは偉大なる魔法使いが作りだしたという不思議なカードを、一人の少女が一生懸命集めるという物語。
それは一人の少女が作り出した空想の物語。
少女は物語の中では偉大なる魔法使いの血を引く者であり、封印の獣と共にカードを集め続ける運命にある。
少女は仲の良い友達に囲まれ、優しい家族と共に暮らし、そしてほのかな恋をしている…。
皆が明るく、前向きに、そして幸せに生きている。
そこは決してネガティブな感情が生まれることのない、優しく暖かな世界。
それが少女の望んだ世界だった。
そこにいる限り、少女は幸せでいることができる。
そこにいる限り、少女は過酷な現実を直視せずに済むことができる。

「そしたらケロちゃんがね…」

シチューをゆっくりと食べながら、少女は自ら作り上げた世界について嬉しそうに語り続ける。
私はそんな少女の笑顔にどうしようもない痛々しさを感じながらも、少女の語る架空の物語に耳を傾けていた…。


5 :CC名無したん :2000/09/29(金) 02:33
ジオンの残党発見

6 :フリッケ福祉員 :2000/09/29(金) 02:55
おおっ、新たなネタスレが!
なんかいい感じのパターンですね。想像するとちょっと背中がゾクゾクしてしまいます(笑)

そういえば、以前「さくらたんの家に忍び込んでパンツかぶったり枕に射精する」
妄想を書き込んだスレがあったと思うのですが、あれってもう過去ログの深海に
沈んでしまいましたかね?

7 :777 :2000/09/29(金) 02:59
(ソフマップの店頭でかかってるやつ)
行こうよ眩しい 光の世界 ハートのスイッチオンにして
ごらんよ誰かが 君を待ってる 同じ形の夢抱いて
明日が好きな人だけが 地球を回す ハローソフマップワールド
言葉は要らない 微笑合えば たちまち素敵な友達さ
心と心を響かせあって 愛をうたおうよ ビバソフマップワールド

時間の流れを さあ追い抜いて 迎えに行こうよ幸せを
誰にも見えない 新しい道 一足お先に走るんだ
熱い視線の人だけが 地球を回す ハローソフマップワールド
コバルト色した 大きな空は 未来を写せるスクリーン
心と心の 絵の具を混ぜて ビバソフマップワールド

おいでよ不思議が 呼んでる世界 ハートのスピードフルにして
君なら出来るさ 大人になった 時代に出来ない冒険さ
自由の似合う人だけが 地球を回す ハローソフマップワールド
言葉は要らない 微笑合えば たちまち素敵な友達さ
心と心を響かせあって 愛をうたおうよ ビバソフマップワールド
ビバソフマップワールド




8 :CC名無したん :2000/09/29(金) 06:19
ひどくどきどきするのですが

9 :CC名無したん :2000/09/29(金) 07:55
続きアプきぼーん

10 :CC名無したん :2000/09/29(金) 19:56
がんばれ〜ハァハァ

11 :>7 :2000/09/29(金) 21:34
ビバじゃなくてウィラブ

12 :CC名無したん :2000/09/30(土) 00:49
さくら板のOFF会する?
牛丼のサンボ貸し切って?(ワラ

13 :CC名無したん :2000/09/30(土) 00:59
   / ̄|___
 _| /   __\
&nbsp|  /  ・/__\|
&nbsp\.|  /尢从从从    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  / /|# ┬  イ |)\  < サンボ逝ってよし
 |/从ゝ" . "ノ\_|    \_______
    厂 ̄ ̄ ̄|
   /  ̄ ̄厂/丶
   / )  ○  | \
  ○丿     丶○
   (⌒⌒⌒⌒⌒)
    ⌒|⌒|⌒|⌒
     |vv|vv|
    /_T_ \


14 :フリッケ福祉員 :2000/09/30(土) 02:01
秋葉に逝ったらサンボでしょ!

15 :CC名無したん :2000/10/01(日) 02:51
つづきは?

16 :CC名無したん :2000/10/01(日) 05:47
ここで終わったら私のなかでは伝説になります

17 :はい :2000/10/01(日) 06:31


行こうよまぶしい 光の世界
ハートのスイッチ オンにして
ごらんよ誰かが 君を待ってる
おんなじ形の 夢抱いて
明日が好きな人だけが 地球を回す
HELLO, SOFMAP WORLD!

18 :CC名無したん :2000/10/01(日) 12:56
なぜさくらたんが心を閉ざしたのか
その辺のいきさつきぼーん

19 :CC名無したん :2000/10/02(月) 05:03

ある日の晩、一軒の家で火事が発生した。
火は瞬く間に燃え広がり、その家は完全に炎に包まれた。
その家には三人の家族が住んでいたが、
救助隊員により助け出されたのは一人だけだった。
助け出されたのはまだ小学生の女の子。
あとの二人――女の子には高校生の兄と大学教授の父親がいたが、
二人とも逃げ後れて焼死してしまったらしい。
助け出された時、少女は半狂乱の状態だったという。
どうやら、少女は家族が焼け死ぬ光景を目撃してしまったらしい。
その後、少女は意識不明のまま入院し、
2,3日後、目を覚ました時には火事のことをすっかり忘れてしまっていた。
医師は、ショックによる一時的な記憶喪失ではないかと言った。
当初、人々は思った。目立った外傷も少ないし、
記憶のほうもいずれは回復するだろう、と。


20 :むぎゅっこ :2000/10/02(月) 05:05

しかし、少女の状態はそれらの予想とはまったく違った方向へと進み始める。
まず、記憶障害以外にも、言動に様々な異変が見られ始めた。
段々と訳の分からないことを口走るようになり、
深夜、病室を何度も脱走した。
そして、ついには精神が砕けてしまったかのように
無表情のまま押し黙るようになり、
誰ともコミュニケーションを取らなくなってしまった。
そうして体の怪我がほとんど治った頃、
少女は病院から退院を余儀なくされることとなる。
少女の奇行もあるだろうが、それよりも、
おそらく医師に心付けを払うような人間がいなかったせいだろう。
大きな病院なんてそんなものだ。


21 :むぎゅっこ :2000/10/02(月) 05:07

当然のように、ケガの治った少女をどうするかで問題になった。
当初、少女の祖父が引き取ることになっていたらしいが、
その祖父も火事の一週間後、後を追うようにしてあっさりと亡くなってしまっていた。
その時、少女を引き取ることができるような状態にあったのは
遠い親戚筋にあたる私だけだった。
迷った挙句、私は少女を引き取ることに決めた。
最初は施設にでも預けるべきではないかと考えていた。
しかし、家族を目の前で亡くし、
心の砕けてしまった少女に実際に会ってしまうと、
それがどうしようもなく不憫に思えてしまったのだ。


22 :むぎゅっこ :2000/10/02(月) 05:07

そうした紆余曲折を経て、少女と暮らすようになり、もう随分経つ。
引き取った当初は、そのコミュニケーションの不全ぶりに途方に暮れたものだったが、
今では彼女が見た夢について教えてもらえるまでになった。
もっとも、夢について語る時以外で少女が言葉を話すことなど皆無だったが。
それでも、以前に比べれば大した進歩ではないかと思う。
最初のうちはそれこそ、こちらが何をどう問いかけようが、
うんともすんとも言わなかったのだから。


23 :むぎゅっこ :2000/10/02(月) 05:08

…思えばあれは突然だった。

「わたしね、カードを集めないといけないの」

ある日、少女の部屋で、脱ぎ散らかされた服を片づけていた私に対し、
少女は突如語り出したのだ。
少女の声を聞いたのはその時が初めてだった。
驚いている私に向かって、少女はその物語について楽しげに語り続けた。
まるで自分が体験した出来事を話すかのように…。
それが、少女の語る物語、夢の世界の始まりだったのだ。


24 :むぎゅっこ :2000/10/02(月) 05:10

少女の語る物語。魔法の存在する世界。
少女の祖先が作ったという、不可思議な力を持つ魔法のカード。
カードを守る封印の獣。
たまに喧嘩はするけれど、いつも少女を心配してくれる兄。
どんな時にも笑顔を絶やさず、少女を見守っていてくれる父。
とても優しくて、少女がほのかな想いを寄せている兄の友人。
いつもそばにいて、少女のことを心から大切に思ってくれる親友。
そして、学校に行けば他にも仲の良い友達がたくさんいる。
彼らとすごす、何気ない日常の光景…。
少女の話す夢の世界の大部分は、そういった日常の光景で占められていた。
しかし、私は夢の世界における、少女の日常生活を聞くたびに
とても悲しい気分になった。
なぜなら、今の少女はその中のどれひとつとして持ち合わせてはいないのだから。
家族も、友人も、恋愛も、学校生活も、そして偉大なる魔法の力も。
この現実において、少女は何ひとつ持っていないのだから…。


25 :フリッケ福祉員 :2000/10/03(火) 01:44
続いてる! 上げ上げ!!
暗いけど、すげーいい雰囲気ですよ

個人的には、最後に三国人にとられるぐらいならこんなダークな最終回でもOKかなと
思いますが、皆様の意見はいかに?
こころを閉ざしてしまったさくらたんも、ちょっと萌え

26 :ファジー :2000/10/03(火) 01:59
おおっ、何だか引き込まれる世界観ですねー
エロゲだったらここからなし崩し的に抱いてしまうか
調教コースってところなんですが。
むぎゅっこさん、続き期待してますー♪

27 :さ〜て 来週のさくらちゃんは? :2000/10/03(火) 03:24
雪兎です。

桃矢の硬い肉棒に突き上げられているシーンを知世ちゃんが撮影して
めっちゃ萌え萌えでした。明日、学校放送で流してくれるそうです。
部屋の扉をワザと少し開けていたので、さくらちゃんに気付かれているはずです。
ああ、たまらんちん

さて次回は
「さくら ペニスに死す」
の一本です。

28 :CC名無したん :2000/10/03(火) 22:29
>27 滅びな。せっかくいい気分だったのに。
>25 こころを閉ざしてしまったさくらたんっていいですね、本当に。

29 :CC名無したん :2000/10/03(火) 22:57
話の続きがきになります。あと書きこまれた時間を見ると
むぎゅっこ氏のキータイプが異様に早いと思うのですが。
テキストに下書きを貼りつけて書いているか、どこかの
SSのコピペか、どちらかとは思いますがなんにせよ、続きをお願いいたます

当方の見当違いであればと思い、あらかじめ謝罪しておきます。
乱筆、乱文ご容赦下さい。

30 :CC名無したん :2000/10/04(水) 02:25
気になるあげ

31 :  :2000/10/04(水) 02:49
頼む、続きを書いてくれ!…じゃない、書いて下さい

32 :続希望弁慶 :2000/10/05(木) 00:22
よろしくです。

33 :CC名無したん :2000/10/05(木) 23:00
(*´ー`*)あげ〜

34 :CC名無したん :2000/10/05(木) 23:28
文章がしっかりしてるみたいだからエディタで書いて出来上がってから書き込んだんだろうか。

是非続きをお願いします

35 :CC名無したん :2000/10/05(木) 23:35
どこかの同人サイトの小説のコピペ説に1票

36 :Ca名無したん :2000/10/06(金) 21:35
むぎゅっこ殿
この荒れ果てたさくら板に光を〜草葉の陰より応援してまふ〜

37 :名無しさん@1周年 :2000/10/07(土) 01:02
age

38 :名無し娘。 :2000/10/07(土) 04:11
http://thum-rock.thehappygirls.com/
http://thum-middle.thehappygirls.com/
http://thum-ink.thehappygirls.com/
http://coffee.majorhost.com/
http://shield1000.bikininews.com/


39 ::2000/10/07(土) 19:50
知世ちゃんが好きだけど、
好きだから放置プレイしちゃう

40 ::2000/10/07(土) 19:51
スレ間違えたし。鬱

41 :zero :2000/10/07(土) 20:20
今日も又いつものように少女は夢の世界のことを語ってくれる
私もそれに聞き入り、少女と過ごす夢のひとときを楽しんでいる
今日は特に、友人のことを良く聞かせてくれた
大道寺知世と言う女の子らしい。
その子は少女に自分の作ったコスチュームを着せ
その姿のままカードを封印させるのだという
少女は、知世のことは少し変だけど大好きだと言ってくれた
夢の世界から抜け出せない少女。
私に夢の世界のことを話しているときに
垣間見せる少女のわずかな瞳の輝きに心を動かされる
もし、このままこの少女が夢の世界から抜け出せないのなら
もしかすると、その子はそれで十分に幸せなのではないかと思う
辛い現実から逃れる一種の手段としてこの少女自体が選んだ選択肢の一つなのだ
しかし、それだけでは納得がいかない、本当にそれで良いのかと思う
話さないとき一切の輝きを失った瞳は私にとって突き刺さるような痛みに感じられ
私にそんなことを思わせる・・。
何かの少女に出来ることがあるとするならば、
この夢の世界を共有して上げることだけなのかと思う。。。

42 :zero :2000/10/07(土) 20:24
ある日、自室テレビを見ていたときに。
私はあることに気がついた、
それは番組の間に流れるコマーシャル、
大道寺、、と言う言葉が出てきた、いや、正確には、企業名のようだった。
確か、そうあれは少女の言った夢でしかないはずの名前
私はまさかと思いながらも
居ても立っても居られず、大道寺、
と言う名前について調べ始めた。。。

43 :zero :2000/10/07(土) 20:27
もしかすると事件の前に少女の記憶に植え付けられていた
cmの企業名を、夢の世界に登場させただけかもしれない
そうも思った、だが私はそんな考えを振り切るかのように
少女の住んでいた周辺に大道寺という名字が無いか調べ始めた。。

44 :名無したん :2000/10/07(土) 20:30
展開した

45 :名無したん :2000/10/07(土) 20:33
ておいたよ

46 :名無したん :2000/10/07(土) 20:34
続き書いてよ、誰か・・・。

47 :ages :2000/10/07(土) 23:19
toriaezu

48 :ななん :2000/10/08(日) 00:25
これリレー?

49 :名無しさん@1周年 :2000/10/08(日) 06:31
27にはいきなりで笑った。でも氏んどけ。

50 :x :2000/10/09(月) 03:51
それはすぐに見つけることができた。
電話帳に記されていた珍しい苗字、そして焼けた家の近くに存在する住所。
たったそれだけの理由だが、少女の囁く戯言がそうでないことを私に確信さ
せるのに十分だった。
やや緊張しながら受話器を取り、白く四角いボタンを順番に押していく。
コール音がいつにもまして重く長く、そしてはっきりと私の頭の中に響く。
しかし・・・応対は最悪だった。
使用人と名乗る若い女性の声が、まるで警官から職務質問でもされるかのよ
うに私を問いただすだけだった。
それでもなんとかこちらの名前、電話番号、住所、そして木之本さくらとい
う名前を伝えることは出来たような気がした。

51 :x :2000/10/09(月) 03:53
あれからもうどのくらい経っただろう。
窓の外では真っ赤な夕陽が、全てを紅く包み込もうとしている。
時計を見ると丁度6時を指そうかというところだった。
折り返し連絡をしてくれる手筈なのに、電話のベルは一向に静寂を尽くした
ままである。
もしかして私は一方的な勘違いをして、まったく無関係の人間に・・・?
軽く頭を振りながらふと我にかえると、目の前に少女が立っていた。
「さくらちゃん、どうしたの?」
「・・・・・」
少女は無言のままに、ゆっくりと私が彼女に与えた部屋へと戻っていってし
まった。

52 :x :2000/10/09(月) 03:53
しまった、またやってしまったか。

私が少女に対話を求めるごとに、いろんな話をしてくれるようになった。
ごく稀ではあるが、私の所に来て自ら話し掛けてくれることもあった。
しかしその最中に、少しでもつまらなそうな顔をしたり、呆けたりすると
すばやく反応し、何も話してくれなくなってしまうのだ。
そう、私は一瞬たりとも気を抜いてはいけないはずなのに。
少女の機嫌を損ねると、しばらくは会話は出来なくなってしまう。
その期間は2、3日であったり、時には一週間以上にも及んだ。

おそらく先ほども、私に何かを伝えようとしていたのだろうに。
途方にくれる私の耳に届いたのは、玄関のチャイムの音だった。
冷たい鉄製のドアを開けると、そこには5人の黒眼鏡をした若い女性に囲
まれるように、1人の黒く長い髪の少女が立っていた。

53 :むぎゅっこ :2000/10/09(月) 22:15
あらま。
久しぶりに続きを書いたのでアップしようと思ったら
他の人が書いてくださってたんですね。


54 :CC名無したん :2000/10/09(月) 23:46
>53
続きは?

55 :フリッケ福祉員 :2000/10/10(火) 00:46
>>53
アップしないのはもったいないので、パラレル的に進めてもよろしいのでは?

しかしリレーのほうも、これだけ違和感無くつながっているのも凄いですな

56 :CC名無したん :2000/10/10(火) 05:06
>>53
 本家のお話アップしてくれ!!

57 :よろしく! :2000/10/10(火) 08:33
>>53
自分も続きが見たいです!!

58 :たんたん :2000/10/10(火) 17:35
むぎゅっこさんの続きがみたい
途中から人が変わっておもしろくなくなった

59 :オイコラ(警官風) :2000/10/10(火) 18:04
>58
むぎゅっこさの続編を読みたい気持ちは同じだが
いくらなんでもその言い方はzeroさんやxさんに失礼だろ

60 :たんたん :2000/10/10(火) 18:14
つまらんものはつまらん!!

61 :CA名無したん :2000/10/10(火) 21:34
>60
そなこと言うなよ〜せっかく書いてくれたんだし〜
ただ、もちょっと頑張ろうねぇ〜


62 :CC名無したん :2000/10/10(火) 22:24
>61
おまえもそんな事言うな〜
おれは>>52の続きが気になってしょうがない

63 :CA名無したん :2000/10/10(火) 22:31
スマソ〜

64 :62 :2000/10/10(火) 22:44
こちらこそ暴言スマソ>63
>>55フリッケさんに賛成!!

65 :たん x 2 :2000/10/10(火) 22:44
つまらんものはつまらん(キッパリ)

66 :62 :2000/10/10(火) 22:58
>たんたん
君とは話し合いが必要なようだ。
ここへ来い。↓
http://piza.2ch.net/test/read.cgi?bbs=mog2&key=957260461&ls=50

67 :CCさくらちゃん :2000/10/10(火) 23:27
 γ∞γ~  \
 人w/ 从从) )   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ヽ | |┬ イ |〃 < くだらんものはくだらん(ちゃっかり)
  `wハ~ . ノ)   \_______________
   / \`「


68 :CC名無したん :2000/10/10(火) 23:32
複数の人間による同時進行でいいんじゃないの?
どっちも面白いと思うよ。

69 :☆ファイター :2000/10/11(水) 00:21
部屋の片隅でおしっこするさくらたんを希望

70 :ERROR:名前いれてちょ :2000/10/11(水) 04:38
ここ面白かったのに…
誰か、続きを。

71 :CC名無したん :2000/10/11(水) 04:49
もうみんな寝ちゃったのかな?

72 :むぎゅっこ :2000/10/11(水) 07:50
zeroさんやxさんの書いている展開の方が
広がりがあって面白いかと思ったんですけどね…。
フリッケさんの言うようにパラレル的に進めるのもいいかもしれませんね。
知世ちゃんが絡んできてどうなるのか興味ありますし。

73 :むぎゅっこ :2000/10/11(水) 07:54

その日の夜も、少女の話す物語を聞いていた。
夢の世界のことについて話す少女の顔は、いつもながらとても楽しげだった。
そんな少女の様子を見ていると、なんだかこっちまで微笑ましい気分になった。

しかし、その日はいつもと少し様子が違っていた。
話の途中で少女は突然、その動きを停止してしまった。
まるで電池の切れた機械仕掛けの人形のようだった。
毎回、話が一段落つくたびに、
少女はその動きを停止し、いつもの状態に戻っていたが、
夢の世界について話している時にそれが起こることはこれまでにはなかった。
私はどうしたのかと思い、少女の顔を覗き込む。
少女は話をしていた時とは一転して、無表情になり目の焦点があっていなかった。


74 :むぎゅっこ :2000/10/11(水) 07:55

「あれ、さくらちゃん? どうしたの? お話の続きは?」

私は少女に話しかけたが、やはり反応はなく、少女はかすかに首を振るだけだった。
小さな唇がわずかに動いていたが、何を言っているのか聞き取ることはできない。
そして、そのままベッドに倒れ込むようにして横になってしまった。
顔を見るとやはり無表情のままだった。
どうやら今日はここまでのようだった。
私は溜め息をひとつつくと、ベッドの端にあった少女の体を中央へ移す。
そうしてそっと布団をかけると、食器を載せたトレイを持って少女の部屋を後にした。


75 :むぎゅっこ :2000/10/11(水) 08:03

その後、私は遅くまで自室にあるコンピュータに向かい仕事をしていた。
キーを打ちながら少女のことを考える。
今日はいつもと少し様子が違っていた。
あるいは少女の状態も少しずつ変化しているのだろうか。
もしかしたら、それとわからないだけで、
少女の心は少しずつ回復しているのかもしれない。
だとしたら、それはとても喜ばしいことだ。
あの少女は笑顔でいる時のほうがずっとかわいい。
あの少女がずっと笑顔でいられる日がいつかは来るのだろうか。

ふと、時計を見るとすでに午前1時を過ぎようとしていた。
そろそろ寝たほうがいいな…。
腕を振り上げ、伸びをしようとしたまさにその時。
突然、二階から大きな物音と共に少女の悲鳴が聞こえた。


76 :むぎゅっこ :2000/10/11(水) 08:04

「な、なんだ!?」

私は慌てて立ち上がると、部屋から出て二階へと続く階段を駆け上がる。
その間に更にもう一度、少女の悲鳴が聞こえた。
心の内から湧いてくる嫌な予感を吹っ切るかのように、
二階にある少女の部屋の前まで急ぎ、強くノックする。

「さくらちゃん!? どうしたの? 入るよ!」

返事を聞くまでもなく、勢いよくドアを開け、部屋に入ったその先。
私の視線の先では、ベッドの上で少女が一人震えていた。

「さくらちゃん…? どうしたの?」

ベッドの側まで歩み寄り、少女の肩に手をかける。
しかし、少女は目を見開き、小刻みに震えながら壁を凝視したままだ。
少女の見ている方向に私も目をやるが、
そこにはただ何もない真っ白な壁が存在しているだけだった。
虫でも出たのかと思い、隅々まで見渡してみたが、やはり何もない。


77 :むぎゅっこ :2000/10/11(水) 08:06

「どうしたの? 何かいたの?」

少女の方を振り向くが、少女は目を見開いたまま、私の問いには答えない。
ただ、何かを囁くかのように、小さな唇がわずかに動いている。

「…さくらちゃん? さくらちゃん!?」

どうしようもなく、ただ少女の肩を揺する。
そして、消え入るような声で少女はようやく言葉を発した。

「…も…えちゃう…の」
「え? さくらちゃん? なんて言ったの?」
「…燃えちゃうの…お兄ちゃんが燃えちゃうの…」
「さくらちゃん…?」

この少女は何を見ていると言うのだ…?


78 :むぎゅっこ :2000/10/11(水) 08:08

「ああ…だ、誰か…」

段々と少女の声が大きくなっていく。

「誰か、誰か…助けて! お兄ちゃんが、お兄ちゃんが柱に挟まって動けなくなってるの! 早く助けないと火が…火が…!」

私の中の困惑が徐々に大きな不安へと変貌していく。
まさか…あの日のことを思い出しているというのか?

「お願い、誰か来て…お兄ちゃん、お兄ちゃん、しっかりして…誰か…誰かお兄ちゃんを助けて!」

少女の目から涙がこぼれていた。

「さくらちゃん! さくらちゃん、しっかりするんだ!」

少女の肩を揺さ振り、大声で呼びかける。
しかし少女は一向に正気に戻らない。

「お兄ちゃんを助けて…早く…そうしないと、そうしないと…ああ…」

少女の動きがピタリと止まった。
正気に戻ったのか?
私は一瞬期待する。しかし次の瞬間。

「イヤァァアァァァァァァァァァァァ!!」

少女は絶叫していた。


79 :むぎゅっこ :2000/10/11(水) 08:10

「お、お兄ちゃんが燃えてる! お兄ちゃんが燃えてるの! お兄ちゃん! …やだよ…こんなのやだよう…!」

少女は自らの顔を両手で覆い、首を振っている。
まるでそうすることで、目の前の惨劇から逃れることができると信じているかのように。
間違いない。呆然としながらも私は確信していた。
少女はあの日の晩のことを思い出しているのだ。
あの日の晩、住んでいた家が燃え、自分の兄が炎に包まれたあの日の晩を思い出しているのだ。

「さくらちゃん! さくらちゃん!」

私は肩を揺すり、必死に呼びかける。
しかし少女はいまだ泣き叫び、その声を止めることはできない。


80 :むぎゅっこ :2000/10/11(水) 08:12

「くそう…どうしたら…どうしたらいいんだ!」

私は拳をベッドに叩き付ける。
自らの記憶を掘り起こし、その光景に絶望している少女をどうやって助けろというのだ!
自分の無力さを思い知らされ、私は頭を抱え込む。
少女の記憶…少女だけが見ている光景。
少女だけが見ている…。
その時、私の脳裏に、ある共通項が浮かびあがった。

「そうだ…」

私は再び少女の肩を揺すりだす。
今度はなるべく優しく、ゆっくりと揺する。

「さくらちゃん、カードだ。カードの魔法を使うんだよ」

私の言葉に少女が始めて反応を示した。


81 :むぎゅっこ :2000/10/11(水) 08:14

「カード…?」
「そうだ、カードだ。たしか君の持っているカードで水を自在に操るカードがあっただろう?」
「水を操るカード…ウォーティ…」
「そうだ、ウォーティだ。そのウォーティで火を消すんだ。そうすれば君のお兄ちゃんはきっと助かる」
「うん、わかったよ…やってみるよ…」

少女は無表情になり、何か呪文のような言葉をぶつぶつと呟き始めた。
私はその様子をじっと見守っていた。
呪文の言葉が終わり、しばらくしてからも少女は無表情なままだった。

「さくらちゃん…?」

段々心配になってきた私に対し、ようやく少女は顔を上げた。

「火が…消えた…」

笑顔だった。

「火が消えたよ…」

もう一度繰り返す。


82 :むぎゅっこ :2000/10/11(水) 08:17

「そうか…それは…良かった」
「お兄ちゃん、無事だった…。少し火傷したみたいだけど大した怪我じゃないみたい…」
「ああ…そうか。それは本当に…良かった」
「ありがとう、おじさんのおかげだよ」

少女が無邪気に微笑む。

「良かった…本当に良かった…」

呟きながら、私は思わず少女を抱きしめていた。
過酷な現実に対して、少女の体はあまりにも小さい。

「本当に良かった…」

ただ、その言葉だけを繰り返す。それ以外の言葉は何も言えなかった。
気が付くと、少女は私の腕の中で眠ってしまっていた。
きっと泣き叫びすぎて、疲れてしまったのだろう。
私は穏やかな表情で眠る少女の体を改めて強く抱きしめていた。
ずっと抱きしめていた。


83 :nanasi :2000/10/11(水) 21:44
age

84 :CC名無したん :2000/10/11(水) 23:10
むぎゅっこさんのいいわぁ!
>>52の続きは別のスレ立てませんか?

85 :偽むぎゅっこ :2000/10/11(水) 23:49
「…も…えちゃう…の」
「え? さくらちゃん? なんて言ったの?」
「…萌えちゃうの…お兄ちゃんが萌えちゃうの…」
「さくらちゃん…?」

この少女は何を見ていると言うのだ…?




86 :CC名無したん :2000/10/11(水) 23:50
いいねぇ(´∀`)
とくに
>「さくらちゃん、カードだ。カードの魔法を使うんだよ」
ここのカードの使い方いいねぇ
結局は少女の妄想の産物でトラウマを覆い隠す、
その後ろめたさで背筋がゾクッとしちゃったよ。



87 :ファジー :2000/10/12(木) 02:43
ここが今一番の注目スレになってます!

88 :CC名無したん :2000/10/12(木) 03:46
むぎゅっこさん、素晴らしいです(TーT
感動してちょっと泣いちゃいましたよ…。最近、涙腺弱いな…。

89 :x :2000/10/12(木) 04:32
>「ありがとう、おじさんのおかげだよ」

 「さくらちゃん、おじさんじゃなくてお兄さんて呼んでね(;_;)」

90 :むぎゅっこ :2000/10/12(木) 07:06

その次の日から少女の様子は少しずつ変化していった。
以前のように、無表情に何もない空間を見つめ続けているということが少なくなった。
私から話しかけても、ある程度返事をしてくれるようになった。
そして、夢の世界の話をする時以外にも笑顔を見せてくれるようになった。
一見、少女の状態は随分好転したように思える。
しかし、私はこの状況を無条件に喜ぶことはできなかった。

私は、少女にその記憶の中において魔法を使わせることで、
火事によって家が燃えつき、家族が死んだという少女の中での事実を変えてしまった。


91 :むぎゅっこ :2000/10/12(木) 07:07

少女の兄は助かった。少女の父も助かった。
しかし、私はそれが少女の見ている幻であることを知っている。
現実世界においては、少女の家族は二人ともすでに骨となっている。
しかし、私は少女に、自分の兄や父が生きていると思わせようとしている…。

これは少女と言葉を交わすうちに分かったことだが、少女はその心の中において、これまでの夢の世界とは違う新たなる世界を構築していた。
少女の家は火事にはなったが、父と兄は怪我をしただけで無事だった。
今は二人とも入院しており、自分だけ親戚のおじさんの家で居候をさせてもらっている。
そのようなストーリーが新たな世界では展開されていたのだ。


92 :むぎゅっこ :2000/10/12(木) 07:10

おそらく、これまでそのような世界を構築することは決してできなかったのだろう。
構築しようにも、そこには障害として、
兄が焼け死ぬ場面を見たという記憶が厳然と存在していたからだ。
だから、魔法が存在する世界などという突飛なものをこしらえ、
その世界に少女の心は完全に移り住んでいたのだろう。

しかし、あの晩、家族を救ったと思い込んだ少女の心は、
魔法という概念によって家族の死という障害を無効化してしまった。
そして、魔法の存在する世界とは異なった、新たなる世界を構築した。
火事はあったが、家族は死んでおらず二人とも生きている世界。
死んだはずの家族が生きている以外、現実とはさほど違いのない世界。
現在、少女は魔法の存在する世界と家族の生きている世界、この二つの世界を行き来している。
後者の世界にいる時だけ、私は少女と会話をすることができた。
おそらく後者の世界においてのみ、その世界に私が存在することが許されたのだと思う。


93 :むぎゅっこ :2000/10/12(木) 07:11

こういった状況が正しいことなのか、それとも間違っていることなのか私にはわからない。
ただ、少女が少しずつ笑顔を見せてくれるようになったのが素直に嬉しかった。
それに、少女の状態が変化しているということは、良い兆しであるように私には感じられた。
段階的に現実に近い世界を構築していくことで、最終的に少女はこの現実に帰ってくるのではないか。
私はそんな希望を見出していた。
そう、そんな呑気なことを私は考えていたのだ。


94 :むぎゅっこ :2000/10/12(木) 07:13

私は夕方、仕事から帰ってくるとまっすぐ少女のいる二階の部屋へと向かう。
ここ最近はいつもそうしていた。
少女の部屋をノックすると、少女の声が返ってきた。

「はい」
「さくらちゃん、入るよ」

ドアを開けると、少女はベッドの上で膝を抱え込み、壁を眺めていた。
きっとまたあちらの世界に行っていたのだろう。

「お帰りなさい」

穏やかな表情で少女が言う。

「ただいま。お腹すいたろう? すぐにご飯を作るからね」
「うん」

私は少女の返事に微笑むと、ドアを閉め少女の部屋を後にする。
すると、すぐにまたドアの開く音がした。
振り返ると、少女が部屋から出てきていた。

「ど、どうしたの?」

私が尋ねると少女はにっこりと笑った。

「…今日は私もご飯作るの手伝うよ」


95 :むぎゅっこ :2000/10/12(木) 07:15

私は少女の言葉に驚いた。

「え、大丈夫なの?」
「うん、こう見えても前の家ではよく晩御飯とか一人で作ってたんだよ。それに、いつもおじさんにばかり作ってもらうの悪いし…」

私が大丈夫かと聞いたのは、そんなことではなかった。
少女は入浴する時とトイレに行く時以外で、部屋から出てくることは、これまでほとんどなかった。
それがいきなり料理を作るのを手伝うなどと言い出したのだ。
少し心配だった。
しかし、私の心配をよそに少女は自信ありげな微笑みを見せている。
少女の笑顔を見ていると、なんだか大丈夫そうに思えた。

「…そうだね、じゃあ手伝ってもらおうかな」
「うん」

少女が嬉しそうに頷く。
そうして私達は二人して台所へと向かった…。


96 :むぎゅっこ :2000/10/12(木) 07:16

二人で料理を作るという行為がこれほどまでに楽しいとは、私は知らなかった。
こんなに楽しい体験は本当に久しぶりだった。
少女はよく笑い、私もよく笑った。
これが家族というものなのだろうか。

私はこれまで他人との共同生活というものに一片の価値も見出していなかった。
全ては無駄な行為だと信じていた。
しかし、こうして少女の笑顔を見ていると、
そのような無駄も悪くないのかもしれないと思えるようになっていた。

少々味付けに失敗した料理を二人で食べながら、色々なことを話した。
友達のこと。学校のこと。入院している家族のこと。…そして魔法のカードのこと。
少女にとっていまだ、魔法のカードは現実の一部だった。
しかし、それもいいのかもしれない。
急ぐ必要はない。少しずつ、少しずつ現実に帰ってくればいい。
もし、現実に帰ってくることが困難であるのなら、この現実になど帰ってくる必要はないのかもしれない。
少女にとって、それが幸せであるのならそれでいいのかもしれない。
楽しそうにカードの話をする少女の笑顔を眺めながら、そんなことを考えていた。


97 :むぎゅっこ :2000/10/12(木) 07:26

その次の日も、そのまた次の日も私は少女と二人で料理を作った。
そして二人で作った料理を二人で食べた。
食事の後は紅茶を飲みながら、少女の話す夢の世界の物語に耳を傾けた。
まるでこの状態がこれまでずっと続いてきたかのように、しっくりときていた。
もしかしたら、これが幸せというものなのかもしれない。
こんな日々がずっと続くことを私は願った。
しかし、幸せな日々など、ふとした事でいとも簡単に壊れてしまうのだという簡単な事実を、私はすっかり忘れていた。


98 :フリッケ福祉員 :2000/10/12(木) 07:28
むひょー、いつの間にか話が進みまくっている。相変わらず興味深い話です
今までにない系統の話だけにとても楽しみです

しかしネタの幅が広いですね。とても
http://saki.2ch.net/test/read.cgi?bbs=sakura&key=967919570
同一人物が書いたネタとは思えない(笑)

99 :むぎゅっこ :2000/10/12(木) 07:33

その日もいつも通りに料理を作り、二人で食べた。
食事の後片付けは、後にまわし、紅茶の準備をする。
少女は居間に行って、テレビを点けたようだった。
私は二人分の紅茶をトレイに載せ、居間へと運ぶ。
居間では少女がリモコンを手にテレビに見入っていた。

「なにか面白いのやってるの?」

私の問いかけに少女の返事はない。
その時、少女の手からリモコンが滑り落ちた。
どうしたのかと思い近づいた私はテレビの画面を見て、目を見開いた。
それはよくあるスクープ映像ばかりを集めた番組のようだった。
そして、画面の中では一軒の家が燃えていた。
あれは…さくらちゃんの…。
私はその画面に唖然となる。
燃えているのはかって少女が住んでいた家だった。


100 :むぎゅっこ :2000/10/12(木) 07:37

動きの止まった私達をよそにナレーターの抑揚のない声が聞こえる。

「猛火に対し、消防隊員が決死の消火活動にあたる。しかしこの火事で家屋は全焼。一家三人のうち二人は焼死し、助かったのは小学生の女の子一人だけだった」

助かったのは女の子一人だけだった…。
その言葉が私の頭の中に響き渡る。
テレビの中ではすでに別の映像に移っていた。
交通事故で大破した車の無残な映像。
私は切り替わった画面を見て、ようやく我に返ると、慌ててリモコンを拾いテレビを消した。

「あ、あんまり面白いのやってないみたいだね…」

取り繕うように言葉を放つ。
しかし、それももう少女には届いていない。

「あの…さくらちゃん…?」

少女はもはや映像の映っていないテレビの画面をいまだ凝視していた。
少女の体は僅かに震えているようだった。
気まずい沈黙。
なにか話しかけなければと、口を開いたその時。
少女の目から涙がこぼれ落ちた。


101 :むぎゅっこ :2000/10/12(木) 07:39

「さ、さくらちゃ…」
「思い…出した…」

私の言葉をさえぎるかのように、少女が口を開いた。

「…私、思い出した…よ。…全部…全部嘘だったんだね…ああ。お兄ちゃんも…お父さんも、もう死んでたんだね。あの火事で…二人とも死んでたんだね…」
「いや、それは…」
「わたし、思い出し…た…」

そう言って少女は両手で頭を抱え込む。
あふれ出た記憶に耐えられないかのように。

「さくらちゃん…」

少女が顔を上げる。
少女は微笑んでいた。とても悲しそうに微笑んでいた。

「みんな私の見てた夢だったんだね…お兄ちゃんも、お父さんも、雪兎さんも、ケロちゃんも、ユエさんも、李君も、カードさん達も、みんな、みんな、私が見てた夢だったんだね。本当はもう誰もいなかったんだね…誰一人いなかったんだね…」

少女の目から、次から次に涙があふれてはこぼれていく。
私はなにもできずにただ少女を見つめていた。


102 :むぎゅっこ :2000/10/12(木) 07:42

これまで注意深く、決して触れようとしなかった話題。
その話題の核心部分に、たまたま点けたテレビ番組が触れてしまった…。
私はあの番組とそれを放映したテレビ局とを呪った。
しかし、もはや、それをなかったことにすることはできない。
少女は今、この現実に帰ってきた。
この現実に帰ってきてしまったのだ。
事実を突きつけられ、自分の構築した世界、夢の世界を追い出されてしまったのだ。

「私、もうひとりぼっちなんだね…」

私は何も言うことができない。


103 :むぎゅっこ :2000/10/12(木) 07:45

涙で濡れた少女の瞳が私に向けられた。

「私…思い出したよ…。あの日、火事になって…逃げようとしたら、足が挟まれて動けなくなって…そしたら、お兄ちゃんが来て助けてくれたの…。でも、今度はお兄ちゃんが、倒れてきた柱に挟まれて…なんとか柱をどけようとしたんだけど、重くて動かなくて…そしたら、そしたら…火がまわってきて…」

少女の体がかすかに震えていた。

「もういい」

私は思わず少女を抱きしめていた。

「もういいから。もうそれ以上話さなくていいから…」

少女のやせ細ったからだを強く抱きしめる。

「お兄ちゃん…お兄ちゃん…」

少女が涙声で呟いている。
それからずっと私の腕の中で少女は泣き続けていた。
どうしようもなかった。本当にどうしようもない夜だった。
私は少女の体温を感じながら、なぜ世の中というものはこうも上手くいかないものなのだろうかと考え続けていた。


104 :CC名無したん :2000/10/12(木) 11:45
ラウンジの「各板の名スレッド」へ紹介してみました。

105 :CC名無したん :2000/10/12(木) 12:42
むぎゅっこさんガンバレー、応援してるよ!

106 :CC名無したん :2000/10/13(金) 12:32
続きが気になる〜age

107 :むぎゅっこ :2000/10/14(土) 06:14

次の日から少女は再び無表情に壁を見つめるようになった。
もう二人で料理を作ることも、作った料理を二人で食べることもなかった。
少女は再び部屋に閉じこもり、出てこなくなった。
私は再び、トレイに食事を載せて少女の部屋へと運ぶようになった。
しかし少女が食事に手をつけることはほとんどなかった。
そしてもう、夢の世界について語ってくれることもなくなってしまった。
なぜなら、夢の世界の物語は、少女にとってすでに現実のものではなくなってしまったから。

こうして少女は、この家に来た時と同じ状態に戻った。
いや、あの時より状況は悪くなっているのかもしれない。
なにしろ、もう笑顔すら見せてくれなくなったのだから。
なんとかこの状況を変えたくて、少女に色々と話しかけはしたが、
答えを返してくれることはもうなかった。


108 :むぎゅっこ :2000/10/14(土) 06:18

少女が再び口を閉ざすようになって、もう一週間が過ぎようとしていた。
私はいつものように、仕事帰りにスーパーへと立ち寄った。

晩御飯の材料を買い込みながら少女のことを考える。
一体どうしたらいいのだろうか。
あれから少女は相変わらず食事をとらず、すっかり痩せ衰えてしまった。
私がいくら食べたほうがいいと言っても、もう反応すらしてくれない。
しかし私はまだ希望を捨ててはいなかった。
今はまだ無理かもしれない。
しかし、いつかは記憶もおぼろげになり、つらい過去を乗り越えることができるようになるかもしれない。


109 :むぎゅっこ :2000/10/14(土) 06:20

明るかった頃の少女に戻ることができるかもしれない。
また、一緒に料理を作ることができるかもしれない。

そうだ、あの子はまだ子供だ。
これからいくらでも人生をやり直すことができるはずだ。
今はとりあえず、栄養のあるものを食べさせて、体から元気になってもらうのが先だ。
これ以上食事をとらないようなら、病院で診てもらうことも考えたほうがいいだろう。

大丈夫だ。
あの子はもともと強い子だ。
きっと元の状態に戻ることができるはずだ。
私は半ば自分に言い聞かせるように、繰り返し心の中で呟いていた。


110 :むぎゅっこ :2000/10/14(土) 06:21

栄養について考えながら、料理の材料を選んでいく。
以前の私なら考えられなかったことだ。
不思議なものだ。
最近は寝ても覚めてもあの子のことばかり考えている。
まるで本当に自分の娘になったかのようだ。
いや、あの子はもう私の娘だ。
そうだ、あの子は私の娘なんだ。
決してあの子をこのまま不幸なまま終わらせたりなんかしない。
あの子を必ず幸福にしてみせる。


111 :むぎゅっこ :2000/10/14(土) 06:23

私は家に着くと、いつものように二階に上がり少女の部屋をノックする。
返事はない。最近はずっとそうだ。

「さくらちゃん、入るよ?」

ゆっくりとドアを開けた私の視界に、なにか不自然なものが飛び込んできた。
一瞬それがなんなのかわからず、呆然となる。
天井から吊るされたロープ。
そこに少女の小柄な体がぶら下っている。
少女は首を吊っていた。
私はそれを認識した瞬間、部屋に駆け込んで少女の体を両手で掴み、必死に押し上げていた。

「さ、さくらちゃん! なんてことを!」

少女はぴくりとも動かない。
しかし、まだ体は温かい。
きっと首を吊ってまだ間もないに違いない。
急いで手当てをすればきっと助かるはずだ。
すぐそばに倒れていた椅子を起こし、その上に立って少女の首にかかった忌々しいロープを外す。
そのままベッドの上に少女を横たえると、ポケットから携帯電話を取り出した。


112 :むぎゅっこ :2000/10/14(土) 06:24

「女の子が首を吊ったんです! 大至急、救急車をお願いします!」

この家の住所を言って電話を切ると、また少女のすぐそばに行く。
鼻と口の辺りに手をやる。呼吸が止まっていた。
胸に耳をあてる。心音は聞こえてこない。

「なんてことだ…!」

私は気道が確保されるように少女の頭をそらすと、人工呼吸を開始した。


113 :むぎゅっこ :2000/10/14(土) 06:26

ひたすら人工呼吸と心臓マッサージとを交互に繰り返す。

「くそう、死ぬな、さくらちゃん、死ぬな!」

泣きそうになりながらも、必死で作業を繰り返す。
しかし、少女はなかなか息を吹き返さない。

死なないでくれ、頼む…!

私は汗だくになりながら、作業を繰り返し続ける。
しばらくして遠くからサイレンの音が聞こえてきた。
サイレンの音は段々と大きくなり、やがて私の家のすぐ前でその音は止んだ。
私はベッドのすぐ側にある窓を開け、大声で怒鳴る。

「玄関の鍵は開いてる! 早く来てくれ!」

すぐに救急隊員が階段を駆け上がってくる音が聞こえてきた。


114 :むぎゅっこ :2000/10/14(土) 06:27

私は病院の廊下にある、横長の椅子に座り、ただひたすら祈っていた。
少女が治療室に運ばれ、しばらく経つ。
あとは医者に任せるしかない。
私にできることは祈る以外にはもう何もなかった。

私はこれまで神の存在を信じたことは一度もない。
しかし、今はその神に対し必死に助けを求めている。
生まれて初めて全身全霊を込めて神に祈りを捧げている。

あの子だけは、あの子だけは助けてやってくれ。
あの子はまだ小学生なんだ。
あの火事の日まで、ずっと幸せに生きてきたんだ。
このまま不幸なまま、あの子を死なせないでやってくれ。
あの子にせめて、せめてもう少し幸せな人生を与えてやってくれ。
引き換えに私は全てを失っても構わない。

だから、神様…どうか…。


115 :むぎゅっこ :2000/10/14(土) 06:30

物音がして治療室から、マスクを付けた医師が現れた。
私は弾かれたように椅子から立ち上がると、医師のそばへと駆け寄る。
きっと、きっと助かるに違いない…神様。
医師はマスクを外すと、ゆっくりと頭を下げた。

「残念ですが…」

そこから先は耳に入ってこなかった。
ただ私はあるひとつのことを思い出していた。
そうだった。すっかり忘れていた。
神というものは、はるか古来より残酷な存在だったのだ…。


116 :CC名無したん :2000/10/14(土) 08:14
むぎゅっこさんがんばれage

117 :CC名無したん :2000/10/14(土) 11:53


−−−−−−−−−−−終了−−−−−−−−−−−

118 :CC名無したん :2000/10/14(土) 12:07
さ〜て来週のむぎゅっこさんは?age


119 :むぎゅっこ :2000/10/15(日) 06:09

私は椅子に座ってぼんやりとしていた。
部屋の隅にはひな壇のようなものがあり、
そこに少女の遺影と骨壷とが置かれている。
それが少女がこの世に残したものだった。

ほとんど密葬に近い状態で少女の葬儀は行われた。
当然、会葬者はほとんどいなかった。
少女は白装束を着せられ、そっと棺に納められた。
やせ細った少女が入るには、用意された棺はいささか大きすぎた。
私は無表情なまま、少女の体の周りに花を敷き詰めた。

棺の中の少女は、まるで全てから解き放たれたかのように穏やかな顔をしていた。


120 :むぎゅっこ :2000/10/15(日) 06:11

葬儀は終わり、棺は霊柩車の中へと納められる。
そして少女は火葬場へと連れていかれ、その肉は焼かれ、ただ骨だけが残った。
私は無表情なまま、少女の骨を骨壷に納めた。
私はずっと無表情なままだった。

葬儀社の人間も、会葬にやって来た人間も、事情を聞きに来た警察官も、皆、私に哀れみを込めた視線を向けていた。
私が何も考えられず、会話すらままならなかったせいかもしれない。
そうして葬儀は終わった。


121 :むぎゅっこ :2000/10/15(日) 06:12

あれからどれだけ経ったのだろう。
随分時間が経ったような気がする。
しかし私はいまだ何も考えられずにいる。
不思議なことに悲しいという感情はあまりない。
しかし、胸の真ん中に大きな空洞ができてしまったかのように、大きな喪失感を抱えていた。

なぜ何も感じないのだろう。
なぜあの少女は死んでしまったのだろう。
なぜ私はまだ生きているのだろう。
どうすれば、あの少女を死なせずに済んだのだろう。
私は考える。


122 :むぎゅっこ :2000/10/15(日) 06:14

そうだ、あの日さっさと料理の材料を買って、早めに家に帰っていれば良かったんだ。
いや、その前に少女が食事をとらなくなった時、無理にでも少女を病院に連れていっておけば良かったんだ。
いや、その前に少女が夢の世界を追い出されたあの日、テレビのリモコンなどに触らせなければ良かったんだ。
いや、その前にそもそも私なんかがあの子を引き取りさえしなければ良かったんだ。

そうすればもっと、あの子は生きることができたのかもしれない。
そうすればもっと、あの子は幸せになることができたのかもしれない。
そうすればもっと、あの子は笑顔でいることができたのかもしれない。
そうすればもっと…。そうすればもっと…。そうすればもっと…。

私はひたすら後悔し、ひたすら過去のおのれの行為を攻め続けた。
そんなことをしたところで、あの子が生き返ってくるわけでもないのに。


123 :むぎゅっこ :2000/10/15(日) 06:16

それからたびたび少女の夢を見た。
少女は夢の中でたくさんの友達や本来の家族に囲まれ、とても幸せそうだった。
その笑顔を見て、私はとても幸せな気分になった。

でも、その世界に私の居場所はどこにもなかった。
少女の作った世界に私は住むことができなかったから。
少女にとって、私は赤の他人だったから。
いくら大声で叫んでも、少女が私に気付くことはなかった。
いくら手を伸ばしても、その手が少女に届くことはなかった。
だから、少女の幸せそうな様子を遠くから、ただ見守り続けることしかできなかった。
なんだか悲しかった。

いつもそこで目が覚めた。
目を覚ますといつも夜中だった。
そして見ていた夢の内容を思い起こしては夜中に一人、泣いた。


124 :むぎゅっこ :2000/10/15(日) 06:18

そして日が昇れば椅子に座り、またぼんやりとしている。
もう、時間の流れも、身体感覚も、何もかもがあやふやになってきていた。

私は何をしているのだろう。こんなことではいけない。
そうだ。日常生活を取り戻そう。
悲しい出来事も日常に埋没させてしまえばいいんだ。
いつかは悲しみも薄れるだろう。
ああ、そうだ。私は今の今まで何をやっていたのだろう。
こんな簡単なことにも気が付かなかったなんて。

さて、それでは何をすればいいのだろう。
もう、よくわからなくなっていた。
全ての境界が曖昧になってきていた。


125 :むぎゅっこ :2000/10/15(日) 06:19

時計を見る。午後6時半になろうとしていた。

「この時間はいつも何をしていたんだっけ…」

私は考える。

ああ、思い出した。
この時間はいつもさくらちゃんのために晩御飯を作っていたんだ。
そうだ、すっかり忘れていた。
早く作ってあげないと…。
あの子は私が用意しないと、食事すらちゃんととらないからな…。
まったく手のかかる子だ…。
早くあの子にはよくなってもらわないと…。

私はのそのそと食事の支度を始めた。


126 :むぎゅっこ :2000/10/15(日) 06:21

できあがった食事をトレイに載せ、ゆっくりと階段を上がっていく。
しばらく見ないうちに廊下や階段には随分と埃がたまっているようだった。
一度ちゃんと掃除しないとな…。
二階に上がり、少女の部屋をゆっくりとノックする。

「さくらちゃん、入るよ?」

私はそっとドアを開ける。

部屋の中には淡い光が満ちていた。
そして淡い光の中に、少女がいた。


127 :むぎゅっこ :2000/10/15(日) 06:22

私はなぜだかほっとして部屋の中へと進む。
少女は机に向かって勉強しているようだった。

「あれ、勉強してたの?」

私が尋ねると、少女は私の方に向き、にっこりと笑った。

「うん、体が良くなって学校に行き出してからも、勉強についていけるようにって思って」
「ああ、そうか。うん、それはいいことだ。じゃあ、早く体が良くなるようにたくさんご飯を食べないとね」

私は微笑んで、机の上にトレイを置く。

「うわあ、ちょうどお腹すいてたんだ」

少女が手を合わせて喜ぶ。
その顔を見ているだけで私はとても幸せな気分になれた。


128 :むぎゅっこ :2000/10/15(日) 06:24

食事をしながら、二人でお話をする。
それはなぜだかとても懐かしい光景だった。
食事が終わると、少女は私の膝の上に座ってくる。

この子は最近、やけによく甘えてくる。
一人っ子で兄弟がいないせいだろうか。
しかし悪い気はしない。
自分の娘に甘えられて嬉しくない父親など、どこにもいないだろう。

娘と二人で過ごす生活。
二人っきりだけど、まったく寂しくなんかない。
この子とお話していると、まったく飽きずにいられるから。


129 :名無しさん :2000/10/15(日) 06:25
BGMは折戸伸治(KEY)で。

130 :むぎゅっこ :2000/10/15(日) 06:26

とても幸せだった。
この子もきっと幸せなはずだ。
ああ、神様がきっと今頃になって、私の望みを叶えてくれたに違いない。

「まったく、神様も意地悪だなぁ」
「ほえ?」

膝の上にいる少女が私に顔を向ける。

「いや、なんでもないよ。ああ、そうだ。またあのお話を聞かせてくれないかな?」
「あのお話って?」
「魔法のカードが出てくるお話」
「ああ、あのお話ね。お父さん、あのお話、好きだよね」
「お父さんはさくらちゃんのしてくれるお話なら、どんなお話でも好きだよ」
「えへへ」

少女が照れたように笑う。
しかしそれは本心だった。
この子さえいれば、後はもう何もいらない。
そう、何もいらないんだ。


131 :むぎゅっこ :2000/10/15(日) 06:27

「…えっと、そういえばどこまでお話したんだっけ?」

少女が首をひねる。

「どこまでだったかなあ?」

私も首をひねる。
気が付くと、二人して同じ方向に首をひねっていた。
その状況がおかしくて、また二人して笑う。

「…それじゃあ、また最初からお話してくれないかな」
「うん、いいよ。えっとね。最初ね、書斎で不思議な本を見つけたの…」


132 :むぎゅっこ :2000/10/15(日) 06:29
<エピローグ>

私は一人の少女と共に暮らしている。
少女の名は木之本さくら。
少女は今日も存在しない世界を漂い、幸せな夢を見ている。
そして時折、夢の中の出来事を私に話してくれる。
少女の語る夢の話を聞くのはとても楽しい。
そして私は今日も夢の話を聞き続ける。
私にできることはそれだけなのだから。
ただ、それだけなのだから…。

<終わり>

133 :名無しさん :2000/10/15(日) 06:33
ご苦労様。

134 :CC名無したん :2000/10/15(日) 06:40
お疲れさんでした。
永久保存スレ認定です。

135 :CC名無したん :2000/10/15(日) 07:09
完結記念アゲ

また何か書いてね。

136 :CC名無したん :2000/10/15(日) 11:00
知世たんが絡んでないのを別にすれば、とても面白い。
次回は人が死なないやつをきぼんぬ。

137 :名無しさん :2000/10/15(日) 13:02
むぎゅっこさんお疲れ様でした。

知世が絡んでくる話の続きも気になるのぅ。

138 :下らん :2000/10/15(日) 13:48
なんだよー
いつになったらさくらたんとやるのかと思って楽しみにしてたのに
全然やらないじゃん。
何?文筆家気取り?
純愛だか妄想だかしらんが、この板で求められてるのは
「さくらたんハァハァ」な世界なんだよ!

さくらたん殺しやがって。
もう一度書き直せ! 今度はちゃんとさくらたん助けて、
泣きじゃくるさくらたんを慰めてベッドイン、ってので頼むよ。

あー、怖気がする。なんだよあれわ。


139 :CC名無したん :2000/10/15(日) 13:55
読破ごくろーさん!(^_^;ワラ

140 :117 :2000/10/15(日) 14:12
スマソ。続いてたんだね...それじゃage!

141 :CC名無したん :2000/10/15(日) 14:29
オイコラ、やっぱ氏んでんじゃねぇか!最悪だなこれ。
別に「ハァハァ」な展開でなくてもいいからさくらたんを助けろ!

142 :おすぎ :2000/10/15(日) 15:28
おすぎです。
すべての人に子供のゆめが
ありました。それを忘れて、大人になります。
赤い飛行機が飛んだ時、スクリーンは
私の涙で滲みました。それは、さわやかな
涙でした。この秋ピーコも泣いた 。
「真説・カードキャプターさくら」です。
http://saki.2ch.net/test/read.cgi?bbs=sakura&key=970161921


他の板で紹介する時は↑を使ってね


143 :CC名無したん :2000/10/15(日) 15:29
文句あるならてめえでいいように書きやがれ、ですわ。

144 :CC名無したん :2000/10/15(日) 15:42
余所の板でさくら板の宣伝してる奴見ると恥ずかしくなるから止めろ。

145 :CC名無したん :2000/10/15(日) 15:50
さくら板は地球上最悪で最凶の最低板なんだ。
それを恥ずかしいだとむしろそんなallぺ℃板を誇れ!

146 :CC名無したん :2000/10/15(日) 16:16
さくら板はいまやネタ密度も薄く面白くも無いただのゴミ箱。
他の板に誇れるようなものは何も無し。

147 :ロリ :2000/10/15(日) 20:50
編集御転載させて頂きます
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Icho/1741/
ここにね。



148 :CC名無したん :2000/10/15(日) 22:23
う〜ん...ちょっと後味悪いなぁ〜
>>52の続き誰か書いてくれないかなぁ〜

149 :CC名無したん :2000/10/15(日) 22:35
新だところには泣けた。涙はでなかったけど。
最後の持って行き方がちょっと強引な気がするなぁ

150 :板の品が上がった・・・ :2000/10/15(日) 22:37
ん〜。文章うまい。作家さん(?)3人でHP作ってほしいなぁ〜。
後味かぁ・・・。どうとも言えないけど・・・。悪くはないかな・・・。
でもすごいおもしろかったですよ。ハッピーエンドともアンハッピーとも取れませんけど・・・。
今度は誰もが幸せな結末(?)って思えるストーリー書いてくれると嬉しいです。
お疲れ様でした。ありがとうございました(嬉)
この文章保存しておこうっ。

151 :CC名無したん :2000/10/15(日) 22:42
広げた風呂敷たたむのは大変だよ。
最後まで最初のテンションを維持できたのは凄いと思う。



152 :148@CC名無したん :2000/10/15(日) 22:47
つまんなかったって言う意味じゃないです。
ただ、どんでん返しのハッピーエンド期待してたもんで...

153 :名無しさん :2000/10/15(日) 23:45
最後どうなったのかわからない。解説して。
なんでしんじゃったのにエピローグでは生きてるんだ?
でも良い話だったように思う

154 :CC名無したん :2000/10/15(日) 23:49
>153
読解力無さすぎ

155 :CC名無したん :2000/10/16(月) 00:57
>153
さくらたんが家族の生きている妄想の世界にイっちゃってたように、
主人公もさくらたんが生きている妄想の世界にイっちゃったんだよ

キチガイさくらたん・・・ハァハァ

156 :CC名無したん :2000/10/16(月) 01:07
>153
それを人に説明させるのはあまりに無粋では内科医?




157 :CC名無したん :2000/10/16(月) 01:08
>155
あ〜あ、やっちゃった。


158 :名無しさん :2000/10/16(月) 01:18
なんかこの話、こっちがさくらたんをいくら愛しても
さくらたんの方は見向きもしてくれないんだぞって
暗に言われてるみたいで鬱になるな。
いや面白かったけど。

159 :CC名無したん :2000/10/16(月) 05:42
>153
121−125あたりをよく見よ!
主人公の精神状況がよく分かるよ。

160 :文章は素敵でしたよ。 :2000/10/16(月) 07:00
>158
さくらはいつまでたっても見向きもしないさ。
それが魅力なんだろ。誰にも見向きもしないってのが。
だからこの板じゃあ自分は愛されてるんだっていう妄想打ち立てているんだろ。
もぎゅっこ氏の文章じゃあ、妄想みてんのはさくらでも、
本当は俺達がディスプレイをみて手前勝手な妄想の世界に浸ってるんだってのを
示してるように見えるけどな。
>155
イってるのはさくらでも主人公でもないな。
俺達だ。


161 :CC名無したん :2000/10/16(月) 07:37
さくらたんが心を閉ざしたまま氏んで逝ったのはちょっとなぁ...

162 :よろしく :2000/10/16(月) 13:30
>52の×さん
本編が終わった今
是非、続きを書いて下さい。

163 :C1000タケダたん :2000/10/17(火) 01:56
むぎゅっこさん、楽しく読ませてもらいました。
ここまでくると、CCさくらたんの世界を超えて、ひとつの読み物として面白かったです。
ごくろうさまでした。

164 :x :2000/10/17(火) 03:45
はぅぅ終わっちゃったの(;_;)
ちょっと最期の描写が寂しかったよ
このままこのスレが終わるのは忍びないので52の続きをあげとくよ

165 :x :2000/10/17(火) 03:46
「あ、あの、はじめまして。私、大道寺知世という者ですが、れ、連絡して頂
き有難う御座いました」

この子が大道寺知世。
少女の語る夢の世界にのみ存在すると思っていた女の子。
しかしその女の子は、ここにこうして実在している。

「あ、あの、さ、さくらちゃんは、さくらちゃんは御無事だったのですか!?」

いささか興奮しているようだったので、それをなだめるように返答した。

「うん、今は部屋にいるよ。それよりもわざわざ会いに来てくれたの?」
「は、はい、そ、それでさくらちゃんは!?」
「まあ上がって」
「し、失礼します」

166 :x :2000/10/17(火) 03:46
私と知世は、少女の部屋の前に来ていた。
ゆっくりとドアをノックする。
「さくらちゃん、知世ちゃんが来てくれたよ」
「さくらちゃん、知世です。入ってもいいですか」

しかしいつまでたっても返事は来ない。
見る見るうちに知世の顔に不安の色が浮き出てくるのがわかった。

「さくらちゃん、入っていいよね?入るね」
見かねた私は徐にノブを回し、知世を部屋のなかに引き入れた。

真暗で何も見えない。
手さぐりで蛍光灯から垂れている紐を探し出し軽く引く。
上でパッパッと小さな音がして明かりが灯ると、ベッドの上ですうすうと寝息
をたてている少女を目の当たりにできた。

167 :x :2000/10/17(火) 03:47
おそるおそるベッドに近寄っていく知世。
眠っている少女の顔を確認すると同時に破顔するのがわかった。

「さくらちゃん・・・・もうずっと会えないと思っていた・・・・生きていて
くれて、また会うことができて・・良かった・・本当に良かった」

知世の瞳からはぽつぽつと大粒の涙が落ち、そのすぐ真下にあるさくらの頬を
少しずつ濡らしていった。
愛惜しそうに髪を撫でながら、相変わらず目蓋を閉じたままのさくらにやさし
く語り掛けていく。

「さくらちゃん、ずっと捜していたんですよ」
「怪我は治りましたか?元気にしていましたか?」
「少し痩せられましたね。お食事はきちん摂られていますか?」
「これからも一緒ですよね。また仲良くしてくださいね」

一通り言い終わると私のいる方を振返り、涙を拭きながらにっこりと笑ってくれた。
何故かふうっと肩の荷がおりたような感じがした。

168 :名無しさん :2000/10/17(火) 04:18
なんか泣いたよ・・・

169 :CC名無したん :2000/10/17(火) 12:53
>x さん
期待してるゼ、age!

170 :CC名無したん :2000/10/17(火) 23:03
この板の最後の良心とならんこと期待してあげ


171 :便乗犯やってもいいかな? :2000/10/18(水) 02:02
 >むぎゅっこさんへ業務連絡。
 ちょっくら話の内容を変更してもよろしいですか?
できれば、happy end(?)っぽく仕上げるつもりですが。
許可をお願いいたします。
 追伸、むぎゅっこさんってJRのW先生じゃないっすよね。

 

172 :CC名無したん :2000/10/18(水) 04:14
ふーむ、長文は苦手なんだが…読んでみたらおもしろいね。

173 :73 :2000/10/18(水) 04:20
>>64
/,'‐':::/ ;/ / r l  \ |   |⌒)___)
  /:// :/ / /| i ヾ    |   |ー'ヾ \
  /:イ:::::i:::/ ;イ ./ |.   .|   |   |i 、   \
 |/ |rー|:/i::/,-|- | | l ─|、|   |   | |     ト
     |/-|i  |  | ヽ  ,r‐、\ |'|  i  |ー`y⌒ヽ
    /::| ヽ ,=、     0i  | |   |  i |
   //::/ i |    、   ー'   |  /  / )l
   |'|::;| イ 、''''  ー‐   ''''  /  ノi /イ |
    |/i' |r'' i\  ー'   _, イ/ / /| / |
|ヽ、__     _`   ー  l    | / ノ|ノ|
|   ̄ l  ヽ ̄ ̄ ̄/!   /   \_
|   __ | / | i i /    /   ___ノノ\
|/ __`) |/  ト ヽヽ|、__/ _,r'二ニ-- ',-―、ゝ
/ //`l_|  /\_ i//一'_ -―/ ̄  r' ̄ 〕_
|  ̄ _/7  |  |Y_、____'_____//    / r‐ ' ___)
\   ')  |  /、__〕     〈 ______/ ´ j ̄ト、
  Tー'  /   /        〔 __, -'  ー'ノ 一石二石!!


174 :73 :2000/10/18(水) 04:26
/,'‐':::/ ;/ / r l  \ |   |⌒)___)
  /:// :/ / /| i ヾ    |   |ー'ヾ \
  /:イ:::::i:::/ ;イ ./ |.   .|   |   |i 、   \
 |/ |rー|:/i::/,-|- | | l ─|、|   |   | |     ト
     |/-|i  |  | ヽ  ,r‐、\ |'|  i  |ー`y⌒ヽ
    /::| ヽ ,=、     0i  | |   |  i |
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|   ̄ l  ヽ ̄ ̄ ̄/!   /   \_
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|/ __`) |/  ト ヽヽ|、__/ _,r'二ニ-- ',-―、ゝ
/ //`l_|  /\_ i//一'_ -―/ ̄  r' ̄ 〕_
|  ̄ _/7  |  |Y_、____'_____//    / r‐ ' ___)
\   ')  |  /、__〕     〈 ______/ ´ j ̄ト、
  Tー'  /   /        〔 __, -'  ー'ノ殴るより殴れ!!


175 :むぎゅっこ :2000/10/18(水) 06:52
>171
>ちょっくら話の内容を変更してもよろしいですか?
まったく問題ありません。
ご自由に話を変えて下さい。
やっぱりさくらには幸せな結末こそが似合うでしょうから。

>むぎゅっこさんってJRのW先生じゃないっすよね。
えっと、違います。
ていうか、どなたなのでしょうか。

176 :名有りさん :2000/10/18(水) 07:23
ムギュッコタン、ハアハア

177 :名無しさんだよもん :2000/10/19(木) 02:05
すごいよ、むぎゅっこさん・・・・
ハッピーエンド万歳!なバ鍵っ子どもに見せてやりたいよ

178 :CC名無したん :2000/10/19(木) 07:37
>177
んじゃお前はこの結末で満足してんのか?

179 :CC名無しさん :2000/10/19(木) 08:02
全ての人を満足させる結末なんてありえないにょ

180 :177 :2000/10/19(木) 14:54
>>178
あの中国人の手に堕ちるよりはずっとマシだろうが

181 :もくじ :2000/10/19(木) 17:15
『真説・カードキャプターさくら』

【プロローグ(むぎゅっこ作)】
>>1-4.>>19-24
【本編(むぎゅっこ作:完結)】
>>73-82.>>90-97.>>99-103.>>107-115.>>119-128.>>130-132
【アナザーストーリー(>>24から。zero,x作:未完?)】
>>41-43.>>50-52.>>165-167

長文苦手で全部読んでない人、結構いると思うけど、
このスレだけは本当に読んどいたほうがいいよ。

182 :zero :2000/10/19(木) 22:48
ぎゃああああああああああああああああああ
思いっきりつまんえって書かれたあああああああああ
あは、デモみんなしっかり読んでくれているところはいい人だよね

183 :zero :2000/10/19(木) 22:49
でもxさんのエッチじゃないんだ・・・(笑


184 :>zero :2000/10/19(木) 23:35

  Λ_Λ   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ( ´∀`)< zeroおもしろいよ! 読んでないけど絶対だよ!
 (    ) │
 | | |  \__________
 (__)_)


185 :CC名無したん :2000/10/19(木) 23:54
>184
なんじゃ、そりゃあ!

186 :CC名無したん :2000/10/20(金) 00:52
エッチじゃないとダメなの?

187 :名無し気味 :2000/10/20(金) 01:50
エロは食傷気味なんだよ。みんなそういう妄想垂れ流すから。
だから偶にはこんな話を見たいわけ。ダーク万歳とまでは言わないけどさ。

188 :これぞCC :2000/10/20(金) 04:34
 最高だぁぁぁ!! こんないいものが今日でなくなるなんて…。
「さくら板は今日、2ちゃんを去りますが、真説・カードキャプターさくらは
 永久に不滅です!」 殿堂に逝ってよし!


189 :x :2000/10/20(金) 06:30
さくらと再会を果たした後、やや落ち着きを取り戻した知世はリビングで私と話を
している。

「あの火事の後、必死でさくらちゃんの行方を追いました。でも収容されたはずの
病院に問い合わせても、そんな子は来ていないと言われて途方に暮れていたんです」
「すごい大火事だったからね。情報が入り乱れて大変だったでしょう」
「はい。それに身元不明の焼死者のうちの一人がさくらちゃんと同じ位の体格らし
くて、もしかしたら・・・・とも考えてしまいました」

「マスコミも大騒ぎしてたからね。変に絡まれると嫌だから、すぐに転院して周り
の人にも口止めをしておいてもらったらしいよ」
「そうでしたか。親類のかたにも連絡を試みたのですけど、ことごとく門前払いの
ような格好になったので変に思いましたの」
「それはすまなかったね。代わりに謝るよ。ところで、君の家は大丈夫だったのかい?」
「はい。風向きの関係もあって、何事もありませんでした」

190 :x :2000/10/20(金) 06:34
それは、とても悲惨な出来事だった。

深夜、木之本家から出火した炎は台風の接近に伴う強風に煽られ、瞬く間に風下へ
風下へと燃え広がった。
友枝町だけでなく、隣接区域の全ての消防車が現場に急行し消火作業を行ったが、
沈火させるには半日近くの時間を要したという。
最終的には全半焼31軒、死者不明12名、負傷者20余名の大惨事となった。

191 :x :2000/10/20(金) 06:34
状況検分の結果、木之本家の植木の土壌から油分が検出された。
放火の疑いもあると見た警察は即座に捜査を開始したところ、やがて一人の不信人
物が浮かび上がる。
その日の夜、空が荒れ始めようとしているにもかかわらず、付近をしきりに徘徊し
ていた中年男性だった。
聞きこみ調査から男の所在を特定、踏みこんで追求したところ素直に犯行を認めた。

仕事がうまくいかずストレスが溜まっていて、人々が大騒ぎするのを見ると憂さ晴
らしになると思い、予め持参しておいた灯油入りペットボトルをばら撒いて火をつ
けたが、予想以上に燃え広がってしまい怖くなって遠目から様子を伺っていたらしい。

そんな狂気の事件だったから馬鹿なマスコミ共が、奇跡的に救出されたさくらを悲
劇のヒロインとして取材対象にする事を予想し、姿を隠したのだった。

192 :x :2000/10/20(金) 06:35
「さくらちゃん、あれから学校に来ていませんが、こちらに転校されたのですか?」
「いや、それがね、とてもそんな状況じゃないんだ」

私は一緒に住むまでのいきさつや、どうにも理解できないカードの話などを淡々と話
し続けた。
知世はこくこくと頷きながら、真剣に聞いてくれた。

「というわけで、まだまだ精神が安定していないんだ。」
「・・・・そんな・・さくらちゃんが・・・どうして?・・・」

かなりショックを受けたようだった。
でも事実はそのまま伝えなければ意味が無い。
続けて今まで疑問に思っていたことを聞いてみた。

「ケロちゃんと一緒に、魔法をカードを封印するために戦うってどういうこと?」
「え!?ケ、ケロ!?カ、カード!?あ、あの、そ、それはですね・・・・」

何故か急に知世が慌て出したような気がした。

193 :CC名無したん :2000/10/20(金) 07:15
いいですね。続き期待してます。

194 ::2000/10/20(金) 14:51
同じく、期待しています。
頑張って下さい。

195 :CC名無したん :2000/10/20(金) 15:55
期待しています。続きが楽しみです。

196 :CC名無したん :2000/10/20(金) 22:15
>X
そーそー♪
俺はそーゆうのを期待してたんだ♪

197 ::2000/10/21(土) 01:02
おーい、akizuはどこいったよ??

198 :CC名無したん :2000/10/21(土) 01:19
akizu=ハニャソじゃなかったか?

199 :zero :2000/10/22(日) 02:02
ハニャそ ってだれ・・・

デモxさんがのってきたみたいなのでもう用無しですね僕

200 :x :2000/10/23(月) 00:43
ん?このまま最後まで続けていいっすか?
ていうか、もう構想は出来あがっていて、あとは文章にするだけなんだけど
なかなかそれが結構むずかしい

アップするペース遅いけど続けていくつもり
というわけで前回の続き↓

201 :x :2000/10/23(月) 00:45
「あれ?意味がわからないかな?君が作ったコスチュームを着たさくらちゃんが、次々
と現れるカードを封印していく話なんだけど」
「い、いえ、わかります」
「それをビデオ撮影していたんだよね」
「は、は、はい」
「演劇の練習でもしていたの?それとも趣味で自主製作ビデオとか?」
「え、えと、それは・・・・あっ!?」

その時、ピーピーと呼び出し音のようなものが知世の膝の上に置かれたポシェットの中
から聞こえた。
すかさず腕時計を確認している。

「お話の途中で申し訳ありませんが、そろそろ帰宅しなければならないので」

壁掛け時計を見ると、夜の10時。
確かに小学生には遅すぎる時間帯だ。

202 :x :2000/10/23(月) 00:48
「ごめんね、話に夢中で気づかなかった」
「こちらこそ遅くまでお邪魔してしまいました」

席を立ち、短い廊下を玄関へと向けて歩き出す。
途中、知世が立ち止まった。
さくらの部屋の閉まったドアをじっと見つめている。

「起こそうか?」
「いえ、お話をするのは次に会うときの楽しみとしてとっておきます」
「また来てね。いつでも歓迎するよ」
「はい、近いうちに必ず」

少し寂しげな表情のまま、知世は帰っていった。

203 :x :2000/10/23(月) 00:49
(ふぅ、今日はやけに長い一日だった)
(だが得るものは多かったな)
(なによりあの夢物話が、全くの空想ではない事が判ったのが一番の収穫だ)

そんな事を考えながら、少し遅い夕食の後、入浴を済ませて自分の部屋で仕事の続きを
することにした。
机に向かいカレンダーと照らせ合わせながら、締切日と原稿の進み具合をチェックする。

(予定より少し遅れているか)

只でさえ筆の進みが遅い方だったが、さくらの世話の為に時間を割くことも多く、それが
少なからず影響を与えていた。

(なんとか話がまとまってきたぞ。ここら辺で少し休憩するか)

机に伏せて目を閉じていると、すぐに意識が遠くなっていった。

204 :暇人 :2000/10/23(月) 00:49
>zero=akizuくん
去るなよ・・・

205 :CC名無したん :2000/10/23(月) 04:31
テンション低下してきてますな・・・。
期待も含めてテコ入れage

206 :名無しさん:2000/10/23(月) 22:46
知世ちゃんの口調がちょっと違う気がしないでもない。
が、楽しみにしてます。

207 :CC名無したん:2000/10/23(月) 23:41
うろたえている知世ちゃんあまり(全然?)見た事ないもんね。
でも私も期待してますョ。

208 :CC名無したん:2000/10/23(月) 23:51
>207
そういや歌帆にケロちゃんの事ばれそうになってあわててる知世ちゃんが好きだった


209 :x:2000/10/26(木) 01:39
>知世ちゃんの口調がちょっと違う気がしないでもない。
スマソ

他の人にも応援感謝

210 :x:2000/10/26(木) 01:39
私は現在、小説を書いて食べている。
ジャンルは、近未来の宇宙で繰り広げる冒険活劇モノが得意だった。
読者は主に、中高生を中心とする若者世代。

爆発的に売れたという事は無いが、原稿料や単行本の印税などで、同世代の人間よりは
割と裕福な生活をすることが出来ている。

まあそんな事はどうでもいい。
それなりの収入があって、転勤や出張もなく毎日家にいて、面倒を見てくれそうな人物。
親戚たちが、さくらを育てさせるには、いや正確には押し付けるには、私が最適と判断し
たのも当然だろう。

さくらを引き取ったのは、確かに一時の感情に流されたからかもしれない。
そしてそれを後悔、とまではいかないが、迷いが生じてきているのは確かだった。

211 :x:2000/10/26(木) 01:40
最近は話が出来るほどには回復してきているのは認める。
しかし何故カードを中心とした話ばかりするのか。
時には同じ話を2度、3度と。
あんなに熱心に、あんなに懐かしそうに。

このままだと永遠に現状のままというような気もする。
転んだ拍子に頭を打って偶然元に戻った、なんて事は間違っても起きない。

確かに目の前で家族が焼け死んだ、というのは相当なショックだろう。
しかし、他にも何かそれと同等のトラウマを持ってしまった感じがするのだ。

昨日出会った知世という名の少女。
彼女は私の知らないさくらの過去を知っている。
それを聞くことから、何か新しい手がかりを見つけなければ。

212 :x:2000/10/26(木) 01:40
目覚まし時計のベルが鳴っている音が聞こえる。
ゆっくりと机上に伏せていた頭を持ち上げながら、手を伸ばしてベルを止める。
微かに聞こえてくる小鳥の囀り、カーテンの隙間から漏れる眩い光、それは朝。

一人で暮していた時は、朝、昼、夜、それに季節さえもあまり意識することはなかった。
書く、調べる、休む、寝る、趣味に費やす、と言うことの繰り返しだったから。

しかし今は違う。
さくらの為にも、一緒に規則正しい生活をしてあげなければならない。
それは、想像していたよりも遥かに「疲れる仕事」だった。
母親が赤ん坊を育てる苦労が良くわかった。
だが、仕事は途中で投げ出さない主義だ。

まだ血液が廻りきっていない身体を無理やり起こす。
気のせいか身体が鉛のように重たく感じる。

213 :x:2000/10/26(木) 01:41
今日もいつもと同じ朝が始まる。
トーストと野菜サラダを作りトレイの上に乗せ、さくらの部屋に持っていく。

「さくらちゃん、朝ご飯だよ」

そう言ったあと、軽くノックをしてから、しばらく待ちドアを開ける。
既に起きていて、ベッドの上でぼうっとしているさくらの所に持っていく。

「じゃあ机の上に置いておくからね」

そう言ってトレイを机の上に置き、しばらくその場で様子を伺う。
ゆっくりとさくらが起きあがり、椅子に座ってトーストを食べ始める。

「昨日、知世ちゃんが来たんだよ」

どんな反応をするか、非常に興味があった。

214 :x:2000/10/26(木) 01:41
「・・・・・・」
「知世ちゃんとは、すごく仲良しなんだよね?」
「・・・・・・」
「カードの話、してくれるかな?」
「・・・・・・」

全くの期待はずれ。
思わず溜息をついてしまう。

「じゃあ、今日は天気が良いから外に出てみようか?」

顔を覗きこんでそう話し掛けると、煩わしそうに反対側を向いてしまった。
忘れてた。
昨日、結果的には無視してしまったんだな。
やれやれ、またしばらくは話ができそうもない。
憂鬱な気分のまま、部屋を後にする。

215 :x:2000/10/26(木) 01:41
リビングで新聞を読みながら、朝食をとっている最中に電話が鳴った。

「おはようございます、大道寺です」
「おはよう知世ちゃん、こんなに早い時間にどうしたの?」
「お聞きしたい事があるのですけど」
「なにかな?」
「さくらちゃんの事、お友達とか先生におはなししても良いものでしょうか?」
「え?ちょっとまってね」

少し考えてみる。

「本当の事を言うと、かえってみんな心配すると思うから、海外で静養中だってことに
しておいて貰えるかな。もうすぐ元気も取り戻せそうって事にして」
「はい、承知しましたわ。それと、学校が終わり次第そちらに向かってよろしいですか?」
「うん、待っているよ」

受話器を置きながら、今日は何か進展がありそうだと予感した。

216 :CC名無したん:2000/10/26(木) 01:55
ご苦労様です。

期待してるからこそ、正直な感想を述べさせていただくと、
どうにもダラダラしてきたような・・・。
じっくり書くのも結構ですが、展開遅すぎでは?
後々に複線として生きてくるのなら話は別ですが・・・。

217 :CC名無したん:2000/10/26(木) 02:19
>216
そうでしょうか?
私はこのような何気ない描写こそ、面白くまたそれにより
話しに深みを与えていると思うのですが・・・
それは、ともかくx 様ご苦労様です。
続き、期待してます。
がんばって、下さいね

218 :CC名無したん:2000/10/26(木) 02:26
217は×ですか?

219 :217:2000/10/26(木) 02:31
ん?なんで??
ちがいますが???

220 :CC名無したん:2000/10/26(木) 06:05
毎回読んでる人ご苦労様です。
続き、誰かが書くでしょう。
がんばって、下さいね

221 :CC名無しさん:2000/10/26(木) 06:13
うん、大変だけど頑張って読むよ?

222 :CC名無したん:2000/10/26(木) 12:17
頑張れ!age

223 :CC名無したん:2000/10/26(木) 21:21
ばんがれ!



224 :名無しさん:2000/10/27(金) 22:01
知世ちゃんの口調は
「ですけど」→「ですけれど」、「よろしいですか?」→「よろしいでしょうか?」
の方がしっくりくるのですが。
普通の敬語より更に丁寧に、というか。どうかな。

225 :名無し娘。:2000/10/28(土) 00:14
あと語彙が豊富。「達観」「超然」という小学生が
到底使わないような単語も用いる。

226 :x:2000/10/29(日) 04:01
>どうにもダラダラしてきたような・・・。
>じっくり書くのも結構ですが、展開遅すぎでは?

おそいですか?
はやくするとあっというまに終わりそうなんで

引き続き知世の言葉使いも気をつけます

ではつづきをどうぞ

227 :x:2000/10/29(日) 04:02
キュッキュッという音を出しながら、モップが廊下を滑っていく。
仕事を早めに切り上げ、今は大掃除をしている。
昨日は突然訪問してくるものだから、片付けをしている暇なんか無かった。
テーブルの上には読み終わった本や、古新聞が置き放しにしてあったし、フローリングの
廊下や床は埃でツヤが消えていた。

知世は気付かなかったのか、見て見ぬ振りをしてくれていたのかわからなかったが、流石に
そのままではまずいだろう。
続けて、さくらの部屋や自分の部屋も一通り綺麗にすると、午後3時。

さくらの様子を見に行ってみる。
窓際で椅子に座って、外をぼんやり眺めていた。

228 :x:2000/10/29(日) 04:03
すぐ近くに寄り添って、ブラシで髪をとかしてあげながら話し掛ける。

「何を見ているのかな?」
「もうすぐ冬だね。空があんなに高いよ」
「あの雲、大きいね」
「食パンみたいな形をしているね」

返事が来ないのはわかりきっている。
でもいつかは返してくれる事を期待して、空いた時間が出来る度に何でも良いから
話しかけることにしている。

「もうすぐ知世ちゃんが来るからね」
「どんな話をするのかな」

その時、玄関のチャイムが鳴った。

229 :x:2000/10/29(日) 04:03
それから小一時間経った。
目の前は予想通りの悪い展開になっていた。

知世が話しかける。
家から持ってきたフォトアルバムを見せながら、ビデオカメラのモニタを見せながら、
いろいろなことを。
お土産に持って来たショートケーキを、フォークで一口サイズに切り取り、口元にもって
いってあげても。

全く、何も反応しない。

そのような行為を繰り返すうちに、知世の表情が徐々に曇っていく。
そしてとうとう、それら全ての気力を失う。

230 :x:2000/10/29(日) 04:04
ベッドに座り、人形のように動かないさくら。
今、知世はひざまついて、その腰のあたりに頭を押し付けるようにして泣いている。
昨日とは違う意味の涙を流していた。
とても小さな声と共に。

私はそれを部屋の入り口から見ていた。
何か声をかけてあげようとしたが、言葉が見つからない。

知世の嗚咽のみが、狭い部屋に暫くの間こだまする。
それは永遠の様に思えた。
できればこの場から逃げ出したかった。
心が、とても痛い。

231 :x:2000/10/29(日) 04:04
沈黙を破り、先に声を発したのは知世だった。

「すみませんでした。もう落ち着きましたわ」
「知世ちゃん・・・・」

ハンカチで涙を拭きながら、必死に平静を装おうとしている。
その姿が、とてもとても痛々しい。

「昨日のお話で理解しているつもりでした。でも、やはり確認をと思いまして」
「うん」
「さくらちゃんの心は、いったい何処に行ってしまったのでしょうか」
「おそらく・・・・夢の中だと思うよ」
「夢の中といいますと?」
「夢の中では、まだ家族が生きていて、そこで毎日を楽しく過ごしているんだ。
逆に言えば、火事で家族が誰もいなくなったのを、絶対に認めたくないんだ」
「現実逃避をしているのですね。認めてしまうと、とても悲しくなるからですね」
「そう。一人ぽっちになってしまうからね」

232 :x:2000/10/29(日) 04:05
「夢から救い出す方法はあるのでしょうか?」
「夢の中のさくらちゃんが、現実の世界に戻りたいと思うことができれば、いつでも戻
ってこれると思うよ」
「そう思わせるにはどのようにしたら良いのでしょうか?」
「夢の中に入って説得でもできればいいんだけど、それはできないよね」
「はい」
「超能力とか魔法とか使わない限りは、他人の夢の中には入れないかな」
「魔法・・・・」
「ちょっと非現実的だったかな」
「魔力をお持ちの方同士なら、そのようなことが可能らしいのですが」
「魔力?なんのこと?」
「はい、これをご覧になってくださいませんか」

知世は鞄の中から、1本のビデオテープを出した。

233 :x:2000/10/29(日) 04:05
「迷っていました。私達で共有している秘密ですから」
「え?」
「でも、さくらちゃんが元通りになる可能性を、少しでも高めることが出来るかも
しれないのでしたら、本当の事を知って頂きたいのです」
「どういうこと?」
「さくらちゃんからカードさん達のお話をお聞きになりましたね。このテープをご覧に
なられれば、全てを把握することができると思いますわ」

私は、知世を自室へ招き入れ、テープを見せて貰うことにした。

234 :x:2000/10/29(日) 04:05
最初に映し出されたのは月をバックに、なにかが飛んでいる場面だった。

「何か飛んでる?・・・・・・でも小さすぎてよくわからない」
「すぐに拡大されます」
「さくら!・・・・ちゃん?」
「その通りですわ」
「ぬ、ぬいぐるみが喋ってる」
「ケロちゃんですわ。このあとカードさんを捕まえにいきますの」

その後も常識では考えられない場面が延々と続き、私の頭の中はとても整理できない
程に荒らされていった。
必死にピアノ線やら、どこか不自然な継ぎ目などを探す。
見つからない。
それ以前に特撮でもCG合成でも、これほどの実体感がある物を、こんなにも違和感
無しに動かす事は出来ない。

「これ、本当にあった事だよね?」
「はい、種も仕掛けも御座いません」

235 :x:2000/10/29(日) 04:06
瞬間的にさくらから聞いたカードの話が思い浮かぶ。
映像と一致している!!
常識に基づいて聞いていたから話の意味が繋がらなかった。
しかし今、ようやく理解できた。

「さくらちゃん、本当に魔法を使えたんだ」
「信じて頂けて光栄ですわ」
「知世ちゃんは使えないんだよね」
「はい、残念ながら」
「その魔力を持つという人とは、連絡が取れるかな?」
「現在は海外にお住まいで、家に帰れば連絡先がわかります。早速帰って問い合わ
せて見ますわ」
「それと、まだビデオがあれば見せて欲しい。そこからさくらちゃんを元に戻すための
要素が探し出せるかもしれない」
「承知しましたわ」

236 :x:2000/10/29(日) 04:06
知世が帰った後、私はビデオを見ながら登場する人物やカードや、さくらの取った行動
などを、ノートに次々と記していった。
それは後々、必ず役に立つはずだ。

さくら、もうすぐ助け出してあげるかもしれない。
待ってていてね。

237 :x:2000/10/29(日) 04:09
236の訂正

>さくら、もうすぐ助け出してあげるかもしれない。

さくら、もうすぐ助け出してあげられるかもしれない。

238 :CC名無したん:2000/10/29(日) 06:07
お、新作、新作
期待sage

239 :238:2000/10/29(日) 06:10
間違って、ageてしまった。
すいません
ウツダ、シノウ


240 :CC名無したん:2000/10/29(日) 19:42
おもろいね、君。

241 ::2000/10/29(日) 21:04
期待age

242 :CC名無したん:2000/10/29(日) 21:05
ざ・えんど


243 :tear@:2000/10/29(日) 22:04
      ∧ ∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
〜′ ̄ ̄(´∀`)<  母音の前はジだろ>242
 UU ̄ ̄ U U  \____________



244 ::2000/10/29(日) 23:01
ざ・えんど

柔らかく

245 :CC名無したん:2000/10/29(日) 23:31
かなり知世の口調に近くなったと思います。


246 :x:2000/10/30(月) 01:03
ーーーーーーーーーーー未完ーーーーーーーーーーーー

247 :238:2000/10/30(月) 04:42
ミカン・ミカン
エヒメノミカン


248 :CC名無したん:2000/10/30(月) 21:44
>>246
これ本物じゃないよね?>x
ペース遅くてもいいから続けてくれよ〜
ってことでageさせてもらいます。

249 :CC名無したん:2000/10/31(火) 00:24
age

250 ::2000/10/31(火) 17:53
えひめの〜♪
みかんは〜♪
日本いちぃ〜(卑猥に
-------中略
みかんみかんみかん!!!
みかんみかんみかん!!!!!!

このスレ下がりやすいいぃ(泣

251 :CC名無したん:2000/10/31(火) 23:19
age

252 :x:2000/11/01(水) 06:11
「ここで、クロウカード編は終わりですのよ」
「ようやく全体量の半分くらい見終わったのか。ここでちょっと休憩しようね」

あれから1週間、私は知世の持ってきた膨大な量のビデオテープを見続けていた。
知世は学校が終わると、すぐに私の家に来てくれた。
ちなみに友枝町からは車で30分位の距離である。
来てからは、ビデオの説明をしてくれたり、さくらの様子を見に行ったり、さくらの部屋を
女の子の部屋らしくコーディネイトしたり、何故か私をビデオカメラに収めたりとしていた。

また大道寺家のメイドを派遣してくれたので、さくらの世話や家事は全て任せる事にして、
私は自分の仕事とビデオ観賞に専念できた。
私と知世の仲も、出会った当初に比べれば、ずいぶん打解けてきている。

改めて考察すると、透き通ったような白い肌、美しく長い黒髪、気品の良さを感じさせる丁寧
な言葉遣いなど、私が小学生だった頃には決して出会えなかったタイプの女の子だ。

253 :x:2000/11/01(水) 06:11
「最近のさくらちゃんの機嫌はどう?」
「先程、カードの話をしてもらう事ができましたわ」
「でも、やっぱりさくらちゃんは、ビデオの中の様にすごく元気な方が似合うね」
「はい、私もその通りに思いますわ」
「昔から、ああいう感じだったんだよ」
「さくらちゃんと初めて会われたのは、いつの頃でしょうか?」
「撫子さんが亡くなってまもなくの頃ね、藤隆さんが出張の為に留守をするので子供達を
見てくれないかって言われて、泊まりに行った事があったんだ」
「幼稚園に通う前くらいですわね」
「うん、お菓子とかおもちゃとか買っていってあげたら凄く喜んでくれて、その後もそう
いうことがある度に、一緒に遊んであげたり風呂にも入れてあげたり、本当にちっちゃく
て可愛い子だった」
「お風呂・・・・・・小さくて可愛い・・・・・・一瞬、別の意味に解釈してしまいましたわ。
くすくす」

254 :x:2000/11/01(水) 06:13
「本当はそういう時は祖父母とかに任せれば良いんだけど、藤隆さんと撫子さんは駆け落
ち同然、って言っても意味がわからないかな?」
「駆け落ち・・・・存じていますわ。愛する二人が結婚に猛反対をする親御さんから、手に
手を取ってお逃げになるのですね」
「うんうん」
「その夜、二人は人目を忍ぶように落ち会い、以前から計画していた事を実行へと移し
たのですわ」
「そうなの?よく知っているね」
「上野駅から鈍行列車を乗り継ぎ、北へ北へと逃げて行きますのよ」
「へ?知世ちゃん、話が脱線してない?藤隆さんと撫子さんの事だけど」
「いえ、脱線する事も無く列車は無事に、北の果ての名も無い駅へと到着しましたわ」
「?」
「そこは寂れた漁港。男の人はそこで漁師さんとなり、女の人は漁で破れた網を直しなが
ら暮らすのです」
「・・・・・・」
「貧しいながらも幸せを掴んだ二人には、やがて愛の結晶が・・・・・・ああ、素敵ですわぁ」
「はぁ、ビデオ見てても、たまにこう言う風になっちゃうんだよな」

255 :x:2000/11/01(水) 06:13
その後も、知世は目をキラキラと輝かせながら、完全に自己の世界へと入っていってしまった
ので、この日はいつもより早めに作業を終える事にした。

256 :CC名無したん:2000/11/02(木) 11:11
続き書き込み記念あげ

257 :CC名無したん:2000/11/02(木) 11:25

                Λ_Λ   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                ( ・∀・)< 勉強のジャマだから静かにしてくれる?
             _φ___⊂)__ \_______________
           /旦/三/ /|
        | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |
        |熊本みかん|/
           ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


258 :フリッケ福祉員:2000/11/03(金) 00:33
未完で終わらなくてよかった記念あげ

やっぱこの話に心引かれるのは
「心を閉ざしたさくらちゃん」という設定が、理想化された友枝町という枠をこえて、
現実の我々の世界と微妙にリンクしているような錯覚に陥らされるところにあるのかな、
などと思ってみたりする

259 :CC名無したん:2000/11/04(土) 00:40
下がるの早い。
age

260 :CC名無したん:2000/11/04(土) 04:01
えろげーっぽい。

261 :x:2000/11/05(日) 05:06

「先日送ったエアメールのお返事が届きましたのよ。一応、メールアドレスも書いて
おいて正解でしたわ」

学校が終わり家に来た知世は、私の部屋に入るなり、ポシェットから手のひらサイズの
メール送受信器を取り出した。

「見せてくれるかな」
「どうぞ。小狼君と苺鈴ちゃんのは翻訳機能を使って日本語に直してありますわ」

262 :x:2000/11/05(日) 05:07
------------------------------------------------------------------------------
(10/31/2000 17:40)

大道寺さん、お元気ですか。
私も小狼も元気です。
木之本さんが見つかって本当によかったね。
二人でとても心配していました。

手紙に書かれていた事についてですが、残念ながら私も小狼も、言葉以外でメッセージ
を伝える事はできません。
でも観月先生なら出来るかもしれないわ。

今、小狼は李家の慣習に従い、世界に散らばる華僑の家を訪問しています。
あと何日かかかりそうですが、戻ってきたら一緒にお見舞いに行っていいですよね。

あなたの親友 苺鈴
------------------------------------------------------------------------------

263 :x:2000/11/05(日) 05:07
------------------------------------------------------------------------------
(10/31/2000 19:05)

李小狼より

苺鈴から電話で聞いてこれを書いてる
さくら見つかったのか嬉しいぜ
今の俺の魔力ではさくらを治すことはできない
今俺は台湾の叔父さんの家にいる
家のしきたりというやつであちこち周らされて疲れる
これからアメリカに住む爺さんに会って報告をして終わりだ
あと3日くらいで香港に帰れる
帰ったら苺鈴と一緒に会いに行く約束したから待ってろ
------------------------------------------------------------------------------

264 :x:2000/11/05(日) 05:08
------------------------------------------------------------------------------
(11/01/2000 07:17)

拝啓

 大道寺さん、お手紙拝見しました。
木之本さんは大変な災難に会ってしまいましたね。

 さて、本題に入りましょう。
確かに魔力を保持する者同士なら、意思の疎通は可能です。
もちろん現状の木之本さんの心に直接入り込む事も。
ただ、その時にどうするかが問題ですね。
闇雲にコンタクトを取るだけでは、悪化させてしまう事になりかねません。
私なりにも善後策を検討してみます。

265 :x:2000/11/05(日) 05:09
 まずは理解のある親戚の方と出会われたのは、幸運であるといえましょう。
そちらで何か進展があり次第、連絡を下さい。
いつでも帰国できるよう準備をしておきます。


観月 歌帆

追伸 エリオルはクロウ・リードの遺志を木之本さんに伝えた後に、自ら魔力を封印して
   普通の男の子に戻っていますので、あえて手紙の中継をしませんでした。
どうかご理解を。
------------------------------------------------------------------------------

266 :x:2000/11/05(日) 05:09
「なるほど。観月さんはテレパシーみたいな事が出来るんだね。これで今やっている事は
無駄にはならないな」
「お返事はどうなさいますか?」
「小狼君と苺鈴ちゃんには、『さくらちゃんを心配してくれて有難う。機会があればいつ
でもお出で下さい歓迎します』として」
「はい。打ちこみますわね。カタカタカタカタカタ・・・・・・」
「観月さんには・・・・・・まだビデオは全部見終わってないから、詳細は保留しといて
『こちらは具体案を進めています。ご協力を感謝します』のような感じで」
「かしこまりましたわ。カタカタカタカタカタ・・・・・・」

「送信完了ですわ」
「よし、ではいつものようにビデオを見ながら対策を練ろう」
「練れてきていますの?」
「大体まとまって来たよ。うどん粉を練るようにね」
「おうどん、ですか」
「うん。さて今日はどんな展開が待っているのかな」

267 :x:2000/11/05(日) 05:10
ビデオのリモコンを手に取り、再生ボタンを押す。

「この辺りから、さくらカードに変えてもあまり疲れなくなってきているね」
「はい。同時に複数を変転させない限りは、寝込む事も無くなりましたわ」

その時ドアが開き、さくらが私の部屋の中に入ってきた。
ベッドを椅子代わりにして、知世と横に並んで正面のテレビを見ていた私をじっと見つめる。

「さくらちゃん、カードの話かな?」

何も答えない。
代わりにさくらの手からブラシが差し出される。

「わかった。してあげるね」

268 :x:2000/11/05(日) 05:11
今まで知世が座っていた場所がさくらに明け渡され、知世は少し離れたところから
様子をビデオカメラに収めている。

ブラシで髪を丁寧にとかしてあげながら話し掛ける。

「そういえば最近はしてあげていなかったね」
「メイドさんは優しくしてくれるかな?」
「テレビを見てご覧。水着姿のさくらちゃんが、みんなとプールで泳いでいるね」

少し前までは肩まで伸びていたが、今はビデオの中と同じ髪型にメイドがカットしてくれ
ているので、とかし終えるまでは以前ほど時間はかからなかった。

「はい、終わったよ。可愛いくなったね」

終わりの合図に、顔を覗きこみながら頬を手で撫でてやる。
さくらは知世のいる方をじーっと見ているようだった。

269 :x:2000/11/05(日) 05:13
「知世ちゃんがビデオで撮ってくれているね」

そう言うと、さくらは私の方を振り向き、突然抱きついてきた。

「ちょ、ちょと、どうしたの?」

背中に手を回し、私の胸に顔を埋める様にして、上を向いて目を合わせてくる。
要求に答えてあげながら、そっと頭を撫でてあげる。
小動物でも抱っこしているみたいな錯覚に陥る。
それが終わると、私の胸に顔を伏せ、時折擦り付けているようだった。
まるで、何かの感触を確かめるように。
しばらくそのままの状態が続いたが、いつしかさくらの方から身体を放し、立ち上がると
自分の部屋に戻っていってしまった。

270 :x:2000/11/05(日) 05:13
「あ、あの、い、今の行為は、普段からされているのでしょうか?」

知世は少し動揺しているみたいだ。

「髪の手入れは毎日してあげてたけど、抱きつかれたのは初めてだよ。お礼のつもりか、
もしくは確認でもしてたんだと思うけど」
「ご確認、といいますと?」
「最近はメイドさんに任せ放しで僕は構ってあげていなかったから、きっと自分の事を
忘れられたのかと思って、あんな風にして存在をアピールしたのかも知れないね」
「愛情表現ですわね」
「そ、そうかもね」

なんとなく恥ずかしくなる。
ここで話題を変えてみよう。

271 :x:2000/11/05(日) 05:14
「そうだ。知世ちゃんの髪も、とかしてあげるね」
「いえ、私は・・・・・・」
「いいからこっちへ来てごらん」

そう言いながら、知世を元の場所に座らせる。
ブラシを長い髪に当てると、すんなりと飲み込まれるような感じがした。

「綺麗な髪だね」
「嬉しい、ですわ」
「いつ頃からロングにしているの?」
「小さい頃から、母が伸ばすようにと・・・・・・」
              :
              :

そんな他愛の無い話をするうちに、作業を終える事が出来た。
さくらの時と同じように、顔を覗きこんで至近距離から目を合わせ、頬に手を当てながら
囁いてみる。

272 :x:2000/11/05(日) 05:15
「はい、終わったよ。知世ちゃんは本当に可愛いね」

一瞬、知世は目を大きく見開き、とても驚いたような顔をする。
そして顔を背け、とても嬉しいような困ったような声で返答した。

「は、は、恥ずかしいですわ。そ、そんなこと、私なんて全然、可愛くありませんのに」
「あれ?どうしたの?そんなに照れなくても」
「い、いきなり、可愛いなんて、あぁ」

さくらにはいつもの挨拶みたいに言っているが、知世にはそうは聞こえなかったようだ。
両手をそれぞれの頬にあて、顔を赤らめながら下向き加減で首を振っている仕種が、
とても新鮮に見えた。

「知世ちゃん、あのね」
「い、いえ、で、ですから、そのような事を真顔で、子供だと思って、からかってらっしゃ
いますのね」
「いや、からかっている訳じゃないけど」
「でも、あぁ、どうしましょう、私、私・・・・・・」

273 :x:2000/11/05(日) 05:15
その後、知世が落ち着くのを待ってからビデオの説明をして貰うが、どうもギクシャク
した感じになってしまった。

でも、実際に可愛いんだけどな。
妹みたいに。

明日にならば元の知世に戻っているさ。
きっと。

274 :CC名無したん:2000/11/06(月) 10:54
おっ、続きだ。
あげっ

275 :1:2000/11/06(月) 11:28
皆ぁ、元気ぃぃーーー?
1でーすっ!!!
今日は私のたてたスレッドに来てくれてどうもありがとー!!!
皆のレス、私の心に刻んだよ
皆のレス、私の体を温めたよ
皆のレス、私の膣を貫いたよ
私を包む永遠の快楽・・・・・・皆、皆私の宝物なんだよ!
だから忘れないで、2chで過ごした金色の日々を
きっと、きっとそれは永遠に輝くモノだから・・・
愛してる・・・・

そろそろお別れの時間だね。このスレは終了します。
私、皆のこと・・・ぐすっ・・・忘れないから・・・きっと・・・ううん、絶対・・・
また別の板別のスレで出会っても私も皆も名無しさん・・・
だけど、必ずわかるよ、だって、だって今・・・こんなにキモチ繋がってるんだよ
最後にこの素敵な言葉を、神様がプレゼントしてくれたこの言葉を・・・
「逝ってよし・・・・・・」
もう、最高だね・・・ぐすっ・・・
本当に・・・本当にありがとう・・・さようなら

ありがとう、ありがとう・・・
私・・・本当は・・・・・・・・・(

276 :フリッケ福祉員:2000/11/07(火) 00:06
続いてますね〜、age
動揺して取り乱す知世たんが新鮮で萌えです
こっちの話も気になってきた(笑)

277 :CC名無したん:2000/11/09(木) 04:46
さがってきちゃったよぅ

278 :CC名無したん:2000/11/10(金) 14:21
なんだか、すぐさがる
期待age

279 :CC名無したん:2000/11/10(金) 15:48


280 :CC名無したん:2000/11/10(金) 19:24
新作待望age

281 :CC名無したん:2000/11/11(土) 21:32
あげでおこう。

282 :CC名無したん:2000/11/13(月) 00:51
すっげー下がってる。
あげとく。
もう、一週間更新無いよ。
サミシイ・・・・・

283 :CC名無したん:2000/11/14(火) 12:18
下がりまくってるよー。
×さん続きはどうしたんですか?

284 :CC名無したん:2000/11/14(火) 12:19
結局、知世は最後まであのままだった。
おかげで、ビデオの解説も中途半端なままで終った。
知世の終始ぎこちなく、はにかんだ仕草はとても愛らしかったが。
本当に、明日にはもとの様子に戻ってくれないと困る。

知世が護衛の女性たちと車で去り、さくらの世話をしてくれている
メイドも帰宅した後、私は新しいブランデーを戸棚から取り出し、
その封を切った。

酒を飲むのも随分と久しぶりのことだ。
これまで、仕事とさくらの世話に追われて、そんな暇などなかったから。
いや、もし暇があったとしても、さくらの沈鬱な表情を見た後では
一杯やろうという気にはならないだろう。
「…辛いな」
私は舌打ちしてグラスから口を離した。
絶妙の比率で作ったつもりの水割りだったが、濃い目になりすぎていた。
……神よ、あんたは何故こうまで残酷なんだ。
何故さくらにこれほどの仕打ちを与え給うた。
あんたは何でこうまで残虐でいられるんだ……
心底、神を呪った。


285 :CC名無したん:2000/11/14(火) 12:20
しかし、知世をはじめ、李 小龍、苺鈴、そして観月の存在を知った今、
私の心には少なからぬ安堵があった。
彼らと魔力なる力の存在が、この上なく頼もしかった。

知世からビデオを見せてもらった当初、私は、さくらから一方的に
語られるばかりの「カードの記憶」を、こちらからも語りかける
ことができれば、あるいはその事が、彼女の心を呼び戻すための
呼び水とならないか、と考えた。
記憶を共有する者がいる。それだけでも、こちら側に目を向けさせる
きっかけとしては充分な物に思えた。

だが、それは無知な者の哀れな希望にすぎない。

私はいつかの知世の姿を思い出した。何事にも関心を示さない
さくらに思い出を語り、ビデオを見せ、大好物であったのだろう
ケーキを口元に運んでやり…徒労の果てに泣き伏した知世の姿を。
胸の奥をぎりぎりと絞めつける異物を、私は作りそこないの水割りで
無理矢理飲み下した。

286 :CC名無したん:2000/11/14(火) 12:23
さくらが声による語りかけに反応しないのは…うまい言葉が見付からないが、
おそらく声で発する言葉では、閉ざされたさくらの心にまで届かないからだ。
だが、魔力を用いれば、閉ざされたさくらの心にも
直接語りかけることが出来るはずだ。
もしこの考えが正しく、適切な手段を講じることが出来れば、
きっと状況は一変するはずだ。そしてその魔力を持つという
小龍と観月の助けがあれば、事は今ここで思うよりも容易かも
知れない。
智代の話では、苺鈴は魔力を持っていないということだが、
さくらの親友として、きっと彼女も大きな助けとなってくれるに
違いない。

287 :CC名無したん:2000/11/14(火) 12:24
そう考えると、一気に気持ちが明るくなった。
改めて水割りを作り直し、グラスに口をつける。
「ん…。旨い」今度は上手く出来た。私は一気にグラスを空け、
大きく息をついた。

「月、か…」
いつの間にか、窓からこうこうと月明かりが射していた。
グラスを片手に窓際に寄ると、これまで見たことが無い明るさで、
満月が輝いていた。
「つき、か…」
眩いばかりの月明かりに目を細めつつ、私はもう一度呟いた。

月の魔力

不意に、そんな言葉が思い出された。
さくらが語ってくれた物語の、何処かに何度か出てきた言葉。
この月にも、あるいはそんな魔力があってくれたら。
あるいは、私にも魔力が…ほんの僅かでいい。備わっていてくれれば。


288 :CC名無したん:2000/11/14(火) 12:25
「月の力を秘めし鍵よ」
「真の姿を我の前に示せ」
「契約の下、さくらが命じる」

私はうろ覚えの呪文を唱えていた。そしてそのことに気付き、
自嘲の笑みをこぼす。
…愚かな。自分が呪文を唱えたところで、何が起きるわけでもないのに。
すっかり酔いがまわったか。

だが、まるで応えるかのように、月は一層その明るさを増して見えた。
私が呪文を唱えても、もちろん何も起こらない。
だが、願懸けなんかは何処の誰でもやるじゃないか。
私は、もう一度自嘲の笑みをこぼして、輝く月に願いを懸けた。
どうか、さくらにこれ以上の災厄がありませんように。
どうか、さくらの心が無事に戻って来られますように。


289 :CC名無したん:2000/11/14(火) 12:26
「レ・リーズ」私の声が、虚しく居間に響いた。
雲に蔭ったのか、月は急激に輝きを失い、やがて雲の中に消えた。
願懸けは済んだ。月は願いを叶えてくれるだろうか…
私はため息をつき、窓際を離れた。

「兄ちゃん、月の力やない。闇の力、や」
「なっ…」
「それに、なんか他の部分も違うで。あと魔法を発動させたい時は
 自分の名前を言うんや。さくらの名前ではさくら本人しか魔法を
 発動させられへんで」

「あ…」
「うあっ!! ペッペッ、なんやこのバタピー。
 兄ちゃんこのバタピー、アジ塩振ったやろ?こんなんツマミに
 酒飲んだら、脳卒中で死ぬで!?」

「あ、あぁ…」
「しかし何やな、月の魔力の助けがあったとは言え、
 ようワイを呼び寄せることが出来たな。兄ちゃん見込みあるで♪」

甲高い声でぎゃあぎゃあとわめきつつ、バターピーナツを
口いっぱい頬張ってボリボリと咀嚼しているのは、
ビデオの中にいた、チンチクリンのぬいぐるみ。
食いしん坊で口やかましい、ケルベロスそのものだった。


290 :CC名無したん:2000/11/14(火) 13:20
>286
智代→知世だ。
ばーか。ばーか。

バ〜カ!!

291 :プレス 徹:2000/11/14(火) 14:16
という訳で、xの人はとっとと続きを書け。

292 :CC名無したん:2000/11/14(火) 15:33
>286さん
「小龍」じゃなく「小狼」ですよ。

>290さんももう少し穏便にしましょうよ。

まあ、何でもいいから続き書いて下さい。

293 :CC名無したん:2000/11/14(火) 15:56
>290さんももう少し穏便にしましょうよ。

バカだからしょうがないよ。

294 :CCCP名無したん:2000/11/14(火) 18:38
>286
小龍←シャオロンと読む

295 :フリッケ福祉員:2000/11/15(水) 00:42
おっと、また小説が分岐するのか?
いや、個人的にはどちらも興味深いのだが

296 :x:2000/11/15(水) 05:10
はにゃーん
今書いてます
夜までにアップできるとおもふ

297 :CCCP名無したん:2000/11/15(水) 07:00
>296
楽しみにしています。

298 :CC名無したん:2000/11/15(水) 07:35
「ケルベロス…」

私は口をパクパクさせて、ようやく彼の名を呼ぶことが出来た。
かの大魔道師、クロウ・リードに創られしカードとその守護獣、
ケルベロス。

「そうや、ワイがケルベロスや。さくら共々しばらく世話に
 なるで。よろしゅうな」
言いながら、小皿に取り分けてあったピーナツを大きく開けた
口の中へザラザラと流し込み、まるでハムスターか何かのように
頬をパンパンに膨らませ、ボリボリと噛み砕いていた。

299 :CC名無したん:2000/11/15(水) 07:36
私は、少なからず落胆した。
その様子は、私が想像していた物とは大きくかけ離れていた。
その名や生い立ちの神秘性から、もっと気品にあふれた
存在だとばかり思っていたが、今目の前にいるこの生き物は…。
…悪い言い方をすれば、飢えた貪欲な大ネズミにさえ見えた。

「スマンなぁ、なんせあの大火事からこっち、食事らしい食事
 をしてないんや。兄ちゃん、とにかく何か食べさせてんか。
 …それとな」
「あ、ああ…」

「ネズミはないやろ。ネズミは」

300 :CC名無したん:2000/11/15(水) 07:38
ドスの効いた声ですごまれ、私は身をすくめた。
「考えが…読めるのか…ですか」
「まあ、少しはな。それに兄ちゃんの場合は、顔に出し過ぎや。
 ハッキリ言えば、わざわざ考えを読むまでもない。
 とにかく、決して短かない付き合いになるんや。そう肩肘
 張らんと、おたがいラクに行こうやないか」

そう言われて、私はやっと肩の力を抜いた。

「ほらぁ、早よう何か食べさせてんかー。
 腹へって死にそうやー」

ケルベロスに急かされ、私は仕方無しに台所へ立った。

301 :x:2000/11/15(水) 23:40
遅れてスマソ
思ったより読んでくれてる人いるのかな
面白い?

>>273のつづきだよ

302 :x:2000/11/15(水) 23:40
「引き続き様子を見ることにしましょう」

そう言うと医者はカルテを書きこみ、私とさくらは診察室を後にした。
今日は半月に一回の診断の日。
しかし大学病院というのは、どうしてこうも効率が悪いのだろう。
待ち時間が2時間で、診察時間はわずか5分足らず。
相変わらずのさくらの精神状態に、医者もさじを投げている感じだ。
医学ではもう駄目だと思う。
それでも通院を続けるのは、進級や進学の時に不利になるのを防ぐために他ならない。
同じ長期欠席でも医師の診断書があれば、登校拒否などとは評価が違ってくるはずだ。


303 :x:2000/11/15(水) 23:41
ロビーで支払いを待っている間、辺りを見まわしてみる。
私達の座っている席の少し離れた場所に、言ってはならないがちょっとだらしない顔を
した男の子がいた。
身体はさくらと同じか、やや小さいくらいだ。
おそらく脳性マヒだろう、なにやらヘラヘラと笑いながら楽しそうにしている。
その横で母親らしき人物が、時々ハンカチでよだれを拭きとってやっている。
あの子は5年後、10年後もあのままだろうか。
あの母親も同様に横に付き添っているのだろうか。

そのような人を見る度に考えてしまう。
考えるほどに神経が疲れてくる。
もうここには来たくない。
今日で最後にしたい。

「木之本さん」

会計係の人の声が聞こえると、ようやく悪い空気の場所から開放された。

304 :x:2000/11/15(水) 23:41
支払いを終え正面玄関から外に出ると、しばらくしてそれを見つけた一台のメルセデス
がやって来る。
運転席からすばやく黒眼鏡の女性が降りてきて、後部座席のドアを開けてくれる。
私はさくらの手を取って、一緒にその場所へと乗り込む。
ちょっとだけ周りの視線が気になる。
ちょっとだけ優越感を味わう。

「まっすぐお帰りになりますか?」
「はい」

車はゆっくりと走り出した。
車に揺られながら、考え事をしてみる。
もし、今考えている方法でさくらが治らなかったらどうしようか。
知世は本当に良くしてくれている。
私が希望する以上の環境を与えてくれている。
それはかなりのプレッシャーとなって、私に跳ね返っていた。

305 :x:2000/11/15(水) 23:42
家に帰ると、既に知世が来ていた。

「ひとつ質問を良いでしょうか?」
「なにかな?」
「さくらちゃんは、ここにいつまでも住まわれるのでしょうか?」
「そうだね。誰かのところにお嫁さんとして行くまで、ここに居ると思うよ」
「でしたら、母の言動と違ってしまいますわ」
「どういうこと?」
「はい、実は・・・・・・」

知世は語り始めた。
最近になって、屋敷の、とある空き部屋を改装しているのを見つけた。
そこには真新しい家具やインテリア類が次々と持ちこまれつつあるのだ。
新しい使用人でも雇ってそこに住まわせるのかと思ったが、昨日の夜に出来あがった
部屋を見てビックリ、自分の部屋と瓜二つだったそうだ。

306 :x:2000/11/15(水) 23:43
「今朝、母に尋ねました。『お母様はご懐妊されましたのね』と」
「へぇ、知世ちゃんにも弟か妹が出来るんだね」
「いいえ、母は笑いながら『もうすぐさくらちゃんは家の子になるから、部屋を作った
のですよ』と言われてましたわ」
「なんだってぇ!?」
「そう言ったお話は出ていないのでしょうか?」
「う、うん、養子にくれなんて話は来てないよ」
「辻褄が合いませんわね」

私と知世は顔を見合わせた。

「ちょっと待ってて、今確かめるから」

私は受話器を取り、次々とボタンを押して行く。
木之本家の親類、そして遺産相続の時に立ち会った弁護士など。

307 :x:2000/11/15(水) 23:45
「誰も知らないって言ってた。どうなっているのかな」
「では、私も確認してみますわね」

今度は知世が電話を掛けている。

「もしもし、知世です。今、さくらちゃんのご親戚の方と・・・・・はい・・・・」

何やら話しこんでいたが、すぐに知世は受話器に手を当てながらこっちを向いた。

「珍しく1回目でつかまりましたわ。本日の夕方5時ころ一緒にお越し願いますか?
見せたいものがあると言われましたの」

「うん」

「もしもし、来て頂けるとの事です。・・・・・・はいわかりましたわ」

308 :x:2000/11/15(水) 23:46
「見せたいもの?なんだろうね」
「私にもさっぱりわかりませんわ」

5時まではまだ時間がある。
それまではいつものようにビデオの説明をして貰う事にした。
さくらも連れてきて、しばしの時間を3人で過ごそう。

あれほどあったビデオの量も、もう残りは僅かになっていた。
おそらくあと1日もあれば、全てを処理できているだろう。

「そろそろ4時半ですわね。出発しませんか」
「そうだね、さくらちゃんはメイドさんに見ててもらおうね」

309 :x:2000/11/15(水) 23:50
「ここがさくらちゃんのお家のあった場所ですわ」
「・・・・うん」

車の中から見える風景は、この近辺だけが不気味に映った。
新築の家が3軒、建て直し中が5軒、あとの20軒くらいは更地のままで残されていた。
曰く着き物件のようなものだから仕方が無いかもしれない。
土地の価格もかなり下がったと聞いている。

そこを抜け十字路を何回か曲がると、黒い柵と緑の植木がどこまでも続いている。
その向こうに見えるのは、今までテレビの中でしか見たことの無いような広大な庭と、
一体部屋が幾つあるのかというような大豪邸だ。

「着きましたわよ」

正門と思われるところから中に入ると、建物がより一層大きく見えた。

「ほえー、すごいとこに住んでいるんだね」
「では母を呼んで参ります。メイドさん、お客様を応接室にご案内して下さいな」

310 :x:2000/11/15(水) 23:51
メイドは私を応接室に連れて行きソファに座らせ、テーブルの上にカップを置き紅茶を
注ぐと、深くお辞儀をして退室していった。
その瞬間に全身の力が、そして魂さえも抜けて行くようだった。

改めて部屋を見渡してみる。
おそらく大理石だと思われる白い壁と天井、床はふかふかの絨毯、棚には高価な酒類が
グラスと共に所狭しと並んでいる。
他にも、壷、皿、絵画など、どれも威光を放って見えた。
それらに囲まれている私自身は、唯一の不必要品に思えてくる。

まだ緊張しているのだろう、持ったティーカップがカタカタと音を立てる。
こういったところで待たされるのは心臓に悪い。
早く来ないかな来たらどんな風に挨拶しようかなとりあえずスーツに着替えて正解だった
なそれにしてもなんて凄い家なんだ完全に圧倒されてるよなんか帰りたくなってきた・・・・

などと考えていると、ノックを2回する音と共にドアがゆっくり開いた。
同時に全身の筋肉が硬直する!

311 :x:2000/11/15(水) 23:52
知世だった。
再び全身から力が抜ける。

「母もすぐに参りますわ」

パーティードレスに着替え、髪型まで変えてきている。
おそらく私の為にしてくれたのだろう。
なんて良い子なんだ。
知世はこちらにやって来て、私の隣に座ってくれた。
私は知世を見つめている。
やはりこう言う時は褒めてあげるものだろう。

「あの、何か?」

やや、はにかんでいる知世。

312 :x:2000/11/15(水) 23:53
顔を近づけて、目を合わせて囁く。

「知世ちゃんは可愛いから、何を着てもよく似合うね」
「またご冗談を・・・・お世辞はいけませんわ」

知世はこの間と同じ表情と仕種で答える。
とても可愛い。

「知世ちゃん、その髪型も素敵だね」
「いけません・・・・そんな・・・・心にも無い事を・・・・」

手で頭をさわさわと撫でてあげる。

「・・・・あの・・・・恥ずかしいですわ」
「ほら、こっち向いて可愛い顔をみせて」
「・・ですから・・・・はぁ・・・・あっお母様!」
「えっ?」

313 :x:2000/11/15(水) 23:54
何時の間にか、私達を見下ろすように知世の母、大道寺園美が立っていた。

「初めまして、知世の母です。お戯れはもうよろしいかしら?」

園美はやや強い口調でそう言うと、私達の向かい側のソファに腰をおろした。
私も知世も、凄く気まずい。
特に私については、心証をかなり悪くしてしまったに違いない。

「随分、仲が宜しいのですね」
「あ、あの、それは知世ちゃんが毎日の様に家に来てくれて、ビデ・・・・いえ、さくらちゃん
と遊んでくれたりビデオを撮ったりしてくれている内に自然に仲良く・・・・」
「毎日?知世、あなたお稽古とかどうしてるの」
「・・・・それは・・・・はい、全てキャンセルを・・・・」

(えっ、それは知らなかった。余計な事を言ってしまったようだ)

「まあいいわ。久しぶりに会えたのですから大目に見ましょう。ところで貴方は・・・・」
「はっ、申し遅れました。僕、いえ私は・・・・」
「ある程度は知世から聞いています。失礼ながらそれ以外の詳細は全て調べ上げました」

314 :x:2000/11/15(水) 23:55
園美がテーブルの上に置いた書類の中から、一枚の紙を取り出すと私のほうに向けてくれた。
それには私の学歴や家族構成、現在の職業、推定年収までもが細かに記されていた。

「間違えはありませんね」
「はい」
「先程の話ですと、さくらちゃんは既に帰国して貴方と一緒に住まわれている様ですね」
「はい(失敗した。そういえば、海外で静養中という事になっているんだった)」

それからも園美は次々と、私やさくらの事について質問を浴びせ掛けた。
私は現状のさくらの事を悟られないように回答するのに精一杯だった。

「貴方が引き取らなければ、どこかの施設で生活する事になっていたと」
「お恥ずかしい話ですがその通りです。親族にも皆それぞれの都合がある事をご理解願います」
「つまり、望むべくして引き取ったのではないと」
「確かにその通りかもしれません。しかし、最近は愛着も沸いてきまして、それなりに・・・・」

315 :x:2000/11/15(水) 23:55
まだ話し終えないというのに、園美は何やら書類の中から数枚の用紙を取りだした。

「どうぞご覧下さい。生前に木之本先生、いえ藤隆さんが私に託してくれたものです」
「こ、これは!」

一通の生命保険証。
支払人は木之本藤隆、受取人は大道寺園美と書かれてあった。
保険金額は一億円。
付属の誓約書には、藤隆に何かがあった場合、残された家族は園美が保護することと
書かれている。
そして二人の連名と捺印がしてあった。
つまり、これは遺言書に相当する。

「全く知りませんでした」
「無理もありません。これは二人の秘密でしたから」

316 :x:2000/11/15(水) 23:56
結論は直ぐに出た。
それが藤隆の遺志ならば、尊重してやらねばならない。

話し合いの結果、親族などへの連絡期間として3日が与えられ、その後さくらは大道寺家
に正式に迎えられる事となった。
最後に質問をしてみる。

「時々、様子を見に来ても良いですか?」
「私共に預けては不安だとおっしゃいたいのですか?」
「いいえ、そう言う意味ではありませんが(きつい言い方するなぁ)」
「考えておきましょう。では私はまだ仕事がありますので失礼致します」

一方的に話を終息させる様にして、園美は行ってしまった。

317 :x:2000/11/15(水) 23:56
「お母さん、怒ってたね。ごめんね」
「はい、でも本当によろしいのでしょうか」
「・・・・・・・そうだね・・・・・・うん・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「そうだ、ちなみにメイドさんとか、車の送迎とかも内緒にしているの?」
「はい。あとは料理長さんにお食材を分けて頂いたりも、ですわ」
「そうだったんだ。明日からはもういいよ。ここまでくれば一人でも出来そうだし。
ばれないうちに撤収しないとね。今まで有難うね」
「はい」
「それで、3日目に観月さんをうちに来れる様にしてもらえるかな。それまでに何とか
準備を整えておくから」
「かしこまりましたわ」
「それから、この間頼んでいたものはもう出来てるかな?」
「既に完成していますわ」

318 :x:2000/11/15(水) 23:57
家に着くと、メイドが夕食を作り終えた所だった。
訳を話し礼を言うと、メイドはお辞儀をして帰っていった。

さくらと一緒に、最後の夕食を頂く。
とても美味しかった。

しばらくすると知世から電話。
母の許可無しでは外出出来なくなったので、何かわからない事があればメールか電話を
使って欲しいとの事。

さくらを寝かしつけ、いよいよ最後の仕上げに取りかかった。

319 :CC名無したん:2000/11/16(木) 00:00
お、ひさびさage。

320 :CC名無したん:2000/11/16(木) 04:17
300の続きも気になる。
xさんの話が終了したら、300の続きをお願いしたいです。


321 :名無しさん:2000/11/16(木) 16:21
http://www.heavens.to/free/autobbs/cgi-bin/mkres2.cgi

322 :CC名無したん:2000/11/17(金) 10:54
私は冷蔵庫をあけ、中にある料理を取り出した。
それは、さくらと私の朝食にとメイドが用意して
いってくれた料理だった。
具だくさんのクリームシチュー、バターロールパン、
フルーツサラダ。
もし足りなければと、シリアルと牛乳。
そして、仕事が深夜にまで及ぶ私の夜食にと
作っておいてくれたサンドイッチ。

彼女は知世の指示で私の家へ来ているのだから、本来なら
さくらの世話だけをしていればいい筈だった。しかし、
それだけでは手持ち無沙汰になることが多いのか、
時々私のそばに来ては、何か手伝えることはないか、
して欲しいことはないか、と訊ねてきた。
しかし私が遠慮すると、彼女は一瞬つまらなそうな表情を
浮かべ、なにかあればどうか遠慮なく声をかけてくれ、と
言って、本来の仕事…さくらの世話に戻っていくのだ。

323 :CC名無したん:2000/11/17(金) 10:55
食事にしてもそうだった。こと私の夜食の用意などは、
もはや彼女の仕事ではないのに、むしろ彼女は意欲的に
取り組んだ。心苦しく思った私がそれを断ろうとすると、
自分は人の世話をするのが好きで、頼ってもらえることが
とても嬉しい。だからどんな仕事でもさせてもらいたい。
そう言って微笑んだ。
テキパキと料理を作る彼女に対し、いつしか私は言い尽く
せぬ感謝の気持ちをいだいた。

「おーっ、男の一人暮らしにしては、えらい豪華な夜食
 やな。兄ちゃん一人で作ったんか?やるな〜」

喝采をあげるケルベロスの前に、それら彼女の心尽くし
を並べた。

324 :CC名無したん:2000/11/17(金) 10:58
ケルベロスの食いっぷりは壮絶の一言に尽きた。

自分の周囲にある物をあっという間に平らげ、あっけにとられる
私の皿から食べ物を奪いとり、ついには予め取り分けておいた
さくらの朝食分にまで手をつけようとした。
…さすがにこれは、声を荒げて制止したが。

せっかくのメイドの心遣いも、私の感謝の気持ちも、ケルベロス
の前にはまったく意味を成さなかった。

「ウハッ、何やねんこのサンドイッチ。バカみたいにマスタード
 入れくさって。他の材料の味が死んでしもうとるやんか」

香辛料が好きな私向けの味付けには辛い辛いと文句を言い、
さくらのために薄味にした料理には、今度は全然味がしないと
文句を言う、この忌々しき封印のケダモノに対しふつふつと
湧き上がる怒りを、私は渾身の力で押さえつけた。

325 :CC名無したん:2000/11/17(金) 11:07
これまでの話を要約してちょ。

326 :プレス 徹:2000/11/17(金) 11:31
CC名無したん>メイドさん萌え。

327 :プレス 徹:2000/11/17(金) 11:40
x>主人公はさくらの心を癒すことが出来るのか。
  そのために考え出された秘策とは。
  という訳で、続きが楽しみです。

328 :CC名無したん:2000/11/17(金) 16:05
うーん、やっぱりずっと書かれているx氏の方が趣があるな
さりとてCC名無したん氏の方も多少の名前違いがあるとはいえ、これから急展開がありそうでチョト興味深い
どちらも頑張ってくれあげ

329 :CC名無したん:2000/11/17(金) 17:40
オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!オタク逝ってよし!

330 :CC名無したん:2000/11/18(土) 06:03
 

331 :x:2000/11/18(土) 06:16
ビデオは全て見終わった。
その後に、2冊のノートを入念に読み返す。
知世の説明を受けながら書き留めたノート。
さくらが虚ろな目で話してくれた事を書き留めたノート。

今の私は、知世と同じ位には理解できているに違いないだろう。
さくらの性格、行動パターン、その周りにいた人物の事を。

そこにはとても仲が良く、一緒に戦ってくれたケルベロスと小狼がいた。
忙しい仕事の合間のわずかな時間を、一緒に過ごしてくれたやさしい父、藤隆がいた。
ちょっと意地悪だったけど、いつも物陰から見守ってくれた妹想いの兄、桃矢がいた。
その親友で憧れていた、実は審判者ユエの仮の姿でもあった雪兎がいた。

まずは観月の魔力で、さくらの夢の中の世界へアクセスする。
そして今はもうこの世には存在しない、彼らに登場して貰うのだ。
その為の台本のような物を書いていく。

332 :x:2000/11/18(土) 06:16
「おはようございます。こちらが観月先生ですわ」

軽く挨拶をした後、知世と観月を部屋に招き入れ、これからして貰う事の説明をした。
出来あがった台本を渡して読ませると、どうやら観月も同じ事を考えていたという。

「不思議ですね、この台本からはとても暖かい力を感じます。ちょっとよろしいですか?」

観月はそう言うとすぐ側に来て、私の額に手を当てた。
目を合わせると、まるでその瞳に吸い込まれて行くように魅了されていく。
ビデオで見て知っていたが、実物の方が数段美しく見える。
もしこんな綺麗な人が恋人だったら、いやお嫁さんになってくれたら、どんなに辛い時でも
幸せにする為の努力を惜しまないだろう。
「歌帆、こっちへおいで」と呼ぶと「どうしたの、あなた」と答えてくれるような
シチュエーションを思い浮かべると頬が緩みそうだった。

333 :x:2000/11/18(土) 06:17

「ごく僅かですが、魔力をお持ちのようですね。夢と希望で構成される光の属性の魔力
です。その証拠に」

額に当てた手が一瞬、暖かく感じたと思うと、

(聞こえるでしょう?)

頭の中に直接、声が響く。
びっくりして後ろに撥ね退ける。

「観月さん、今のはいったい!?」
「歌帆で構いませんよ、あなた」

こ、心が通じ合った?これが魔力?
途端に猛烈に恥ずかしくなって、顔が紅潮していくのがわかる。
歌帆はそんな私を見ても、きわめて冷静にしていた。
知世は訳がわからず、きょとんとしていた。

334 :x:2000/11/18(土) 06:17
さくらの部屋にビデオカメラを設置し、それを私の部屋で受信しながら知世と一緒に見ている。
モニタの中では、ベッドで眠るさくらの周りの床に、歌帆が蝋燭を燈しながら立てている。

「苺鈴ちゃんからメールを頂きました。残念ながら立ち会えませんが遠い空から祈っていますと」
「苺鈴ちゃんも辛い所だよね。そうだ知世ちゃん、例の特注品を見せてくれるかな」
「どうぞ」

知世は持ってきた大き目の紙袋から、以前から私が注文していた物を取り出した。

「こちらが星の杖、こちらがカードと収容する本です」
「流石に大道寺トイズは凄いね。これならきっと本物と区別が付かないよ」
「ですけれども、これはあくまで精巧に作らせた偽物に過ぎません」

335 :x:2000/11/18(土) 06:17
「こんな話は知ってるかな?昔、江戸時代くらいに道端に女の人がお腹が痛くて佇んで
いたんだって。通り掛った旅人が助けてあげようとしたけど、薬を持ってなかったんだ」
「存じていますわ。そこで饂飩粉を練ったものを特効薬と偽って、その女性に飲ませました。
すると不思議なことに、しばらくして元気になったのです」
「それは何故かわかるかな?」
「饂飩粉をお薬だと信じたからですわね」
「その通りだよ。それと同じ様な事をしてみようと思っているんだ。さくらちゃんは結構、
人の言う事を信じやすい性格だから、うまくいく気がするんだ」
「そういえば、山崎君の作り話をいつも本気にして聞いていましたわ」

その時モニタの中では、歌帆がさくらの額に手を当て、台本を見ながら念を送っている様子
が映っていた。
今、復活の儀式は始まったのだ。

336 :CC名無したん:2000/12/15(金) 08:16
デジタル放送age

337 ::2000/12/17(日) 00:27
「あ〜、食った食った。満腹や〜」
「お粗末さまでした」

私は食事の後片付けをしながら、精一杯の嫌味を込めて
応えた。

「おうっ!味付けはデタラメやったけど、まあええわ。
 カンベンしといたろ」
「……。」

精一杯の嫌味を、倍返しされたような気がした。
ケルベロスの口調は決して嫌味な物ではなかったが、
それが逆に私の神経を逆撫でした。

私の心の中に、怒りとともに疑念が湧いていた。
ガツガツと大飯を喰らい、グダグダと文句を言い、
今は満足そうにだらしなく横たわっているケルベロス。
その様子からは、知性も気品も感じられない。
こいつは、さくらにとって助けとなり得るのか。
この生き物は、本当に頼れる存在なのか。
私は洗い物をすませ、食卓に戻ると、改めてケルベロスの
様子に見入った。

338 ::2000/12/17(日) 00:29
「兄ちゃん、ワイのこと怒っとるみたいやな?」
「初対面で、こうまで不躾な態度をとられれば、当然だろう?」
「そうやな。スマンかったな」

そういって、ケルベロスは立ち上がり、それまでのとぼけた
表情を一変させ、真摯な眼差しを私に向けた。

「兄ちゃん、ホンマにスマンかった。せやけどワイ、どうしても
 兄ちゃんのこと試したかったんや。これからも変わらず
 さくらの面倒を見ていってくれるか、確かめたかったんや」

「… 一体どういうことだ」

「そもそも、忍耐力のないやつに今のさくらの面倒を見つづけるのは無理や。
 せやから、もし兄ちゃんがワイの態度を見て、簡単に怒り出すようなら、
 ワイはそのまま出て行く気でおった。とにかくさくらの居場所は掴めたしな。
 あとはさくらの友達に会って、ここを教えればええ、そう思ったんや。
 せやけど、兄ちゃんなら大丈夫や。相当怒りっぽい性格やけど、それを
 抑えられる強い精神力を持っとる。安心してさくらをまかせられるわ」


339 :CC名無したん:2000/12/17(日) 00:30
さげ

340 :CC名無したん:2000/12/17(日) 00:30
>:
つまらんからやめろ

341 ::2000/12/17(日) 00:30
「誉め殺しかよ」
「そうやない。偽らざる処や」
「……」
「兄ちゃん、頼む。このとおりや。どうかカンベンしたってや」

そう言って頭を垂れるケルベロスに、私は許すと言うかわりに
大げさにため息をついてみせた。
ケルベロスも私の様子を見てニッコリと笑みを返す。
そして、どちらからともなく手を伸ばし、ガッチリと握り合った。

私も、知世も、このケルベロスも、未だ見ぬ 李 小狼と苺鈴、
そして歌帆も、それぞれがさくらを想っている。
それぞれが、それぞれの方法で、さくらが今よりもより良くある事を願って。
より幸せであることを願って。

「ほな、本題に入ろか」
「ああ」

ケルベロスの言葉に、私も表情を引き締め、改めて彼に向き直った。


342 :CC名無したん:2001/01/01(月) 03:55
新作は出ないのかなー?


343 :CC名無したんR:2001/01/03(水) 02:58
新世紀につき新作きぼー

344 :CC名無したん:2001/01/03(水) 23:36
ついに復旧したんだね……。
xたんマンセー、続ききぼん。

345 :CC名無したん:2001/01/04(木) 01:33
xさん、もう続きかかないんですか?

346 :CC名無したん:2001/01/04(木) 19:19
age

347 :神出鬼没:2001/01/04(木) 19:30
CCCPさんもこんばんは・・・。


348 :CC名無したん:2001/01/06(土) 22:20
347はスレ違い?

儚い期待とともにage・・・。

349 :CC名無したん:2001/01/08(月) 23:55
age

350 :CC名無したん:2001/01/20(土) 23:32
誰か書いて〜age

351 :ななし上等水兵:2001/01/23(火) 09:35
揚げ?

352 :CC名無したん:2001/01/24(水) 21:26
age

353 :CC名無したん#:2001/01/24(水) 22:20
かいてみようかな♪

354 :CC名無したん:2001/01/24(水) 23:59
>>353
書いてください

355 :ドキュンちょ眠りん@仕事中:2001/01/25(木) 11:26
もうネタ職人は全然居ないのかなぁ…

356 :j:2001/01/27(土) 10:24
コピペしかできない自称ネタ職人はいるぞ(w

357 :CC名無したん:2001/01/29(月) 13:00
age


358 :CC名無したん:2001/01/29(月) 16:11
続きはどうしたんでしょう。

359 :CC名無したん:2001/01/29(月) 22:37
続きが見たい!

360 :CC名無したん:2001/01/30(火) 02:22
頼む!

361 :CC名無したん:2001/01/30(火) 23:22
age

362 :CC名無したん:2001/02/01(木) 03:32
>>342-361
おお、一ヶ月の空白!
祈りをこめてage!

363 :CC名無したん:2001/02/02(金) 10:34
むぎゅっこさん最近見てないage

364 :CC名無したん:2001/02/02(金) 23:15
age

365 :CC名無したん:2001/02/08(木) 19:54
アリスインナイトメアのアリス=さくらたん?

366 :CC名無したん:2001/02/09(金) 01:14
名スレッドだね。さくら板でこんなに良いものを
読めるなんて思いもしなかった

是非とも続きを希望age


367 :CC名無したん:2001/02/09(金) 02:26
そういや昔、「むぎゅっこなんてお呼びじゃねぇよ!」
とか言うスレあったがあれの1こそ続きを書くべきでは?
とか逝ってみるさくらちゃん

368 :CC名無したん:2001/02/09(金) 03:46
むぎゅっこさんじゃなくてごめんなさい。
さくら読んだこともない不届き者ですが、名スレッドで感動しました。
駄目っぽかったらあっさり引き下がる予定です。
>>52の続きでもいいですか?
 
インターホンが鳴った。
「ちょっと待っててね」
少女に言い置いて、私は小走りに階段を降りた。
私には友人が少ない。
学生時代にはいなかったこともないが、結婚してからは年賀状のみの付き合い。
当然、このようになんの連絡もなく訪ねてくることは有り得ない。
(どうせまた、何かの勧誘だろうな…)
しかし、今日は何故かいつものように、居留守を使う気にはなれなかった。
赤く染まった床。
何か予感のようなものがあった。



369 :CC名無したん:2001/02/09(金) 04:05
夕陽でうっすらピンクに染まった花束を抱えて
深々と頭を下げていたのは、少女。
「大道寺…」
硬い微笑み。
「知世、と申します」

#あの、前から読みたかったので今日中に読破してきます<CCさくら

370 :CC名無したん:2001/02/09(金) 04:23
ああ! 待望の続きだ!

371 :CC名無したん:2001/02/09(金) 04:50
(こんな安物の紅茶でよかったのだろうか・・・)
既に日は落ち、口をつけられていない紅茶も生ぬるくなっていた。
巨大玩具コングロマリット・大道寺コーポレーション社長の一人娘とは、
いまだに挨拶以外、言葉を交わしていない。
黒眼鏡をした若い女性達は、席を勧めても固辞して壁際で直立姿勢。
当然のことながら、喋らない。
置き時計の音だけが居間に響く。

「えーと、冷めちゃってるよね。入れ直そっか」
と立ち上がろうとするものの、すげなく断られてしまう。
「けっこうですわ」
中途半端に腰を上げたまま苦笑いするしかない私に、知世は
はっとした顔になって謝った。
「申し訳ございません。わたくしとしたことが…」
それだけ言ってまた黙り込んでしまう。
秒針の音。


372 :368=369=371:2001/02/09(金) 04:56
>口をつけられていない紅茶
なんかおかしい。
一口も口をつけられていない紅茶、とか
一言も言葉を交わしていなかった、とか
言いまわしが重複しがちです。
すみません。

小説読むのは好きですが、書いたことがないので、
駄目なところをご指摘頂けると修行になります。
あと、こんなのCCさくら的に間違ってるところも
教えてください。
では。

373 :CC名無したん:2001/02/09(金) 05:00
>こんなのCCさくらじゃない!というところも
です。

ロリ好きですが、エロ展開にはならないような。


374 :CC名無したん:2001/02/09(金) 05:53
すみません。
ずっと上げて書いてました。
以後気をつけます。
あと、関係なくて申し訳ないんですけど、いまこのスレッドが
かなり熱いです。
コワほのぼのな新しいジャンルです。
ネットウォッチ板より。お百度
http://yasai.2ch.net/test/read.cgi?bbs=net&key=981372209
金曜夜にチャットに参加話で盛り上がってるので、よかったらどうぞ!


375 :CC名無したん:2001/02/09(金) 11:17
ヲタ板にロリ雑談スレ立てたら思わぬ事態に・・・
(CC板のことは言ってません)
さくらたん小説続けていいのかわからないのですが。
いいのかな?


376 :j:2001/02/09(金) 13:14
どうぞどうぞ、気にしないで書いてくださいな。
きっと天国のむぎゅっこさんもスレがにぎわう事を
喜んでくれるんじゃないでしょうか?

あとみんながsageでネタを書いてるのは
途中で書きこみに割り込みとかを嫌うからであって
上げる事自体は悪い事じゃないと思いますよ。

377 :CC名無したん:2001/02/09(金) 21:25
むぎゅっこさん死んだんか?

378 :CC名無したん:2001/02/10(土) 01:55
遅かったじゃないかさくら。時間はちゃんと守るべきだと聞いたことは無いか?
お前は遅れてばかりいるんだろう?愚かな空想にふけったりうぬぼれて得意に
なっているうちにどんどん時間が過ぎていく。ほかのことをする暇はほとんどない。
家族はお前が来てくれると思っていたんだろうなあ。きっと危険を知らせに来て
くれると。
お前がいちばん火の近くにいたんだもんなあ。だがいくら待っても無駄だった。
そしてみんな死んでいった・・・。

379 :CC名無したん:2001/02/10(土) 01:55
この自分勝手なはみだし者の出来そこないめが!あのときお前は夢の世界で
友達とお茶を飲んでいた。もうそれこそ「夢中」だったわけだ。
幸いお前の部屋は頑丈だった。そのころ家族は恐怖に震え真っ赤な炎に
身を焼かれていたというのになあ・・・。

380 :CC名無したん:2001/02/10(土) 02:10
10月26日
さくらの症例は取り立てて騒ぐほどのものではない・・少なくともこの
壁の中では彼女よりも症状の重い患者が何人も暮らしている。
彼女が経験した悲劇には心から同情する。心を歪めるのに十分な衝撃
だったことだろう。寝室に閉じ込められた家族が生きたまま焼かれる
悲鳴を、何も出来ずにただ聞いていることがどれほど恐ろしいか、
想像してみてほしい。さくらはそんな悲鳴を聞いたに違いないのだ。
いや恐らく彼女は今もその悲鳴を聞きつづけているにちがいない。

381 :368=369=371 :2001/02/10(土) 02:17
あ、違う方で続いてますねー。
私も続けていいんでしょうか?
コテハンにした方がいいかな。
>>376
ありがとうございます。
後でアップしますね。



382 :ひわ=368(以下略):2001/02/10(土) 04:11
>>52の続き↓
>>368>>>369>>>371

「ところで」
沈黙を先に破ったのは、知世。
「木之本桜さんは、すでに丹下さんの籍にお入りですの?
義妹などで」
未だ同居人に過ぎないことは承知していた。
知世は、この聞き方が相手の情報をより多く引き出すのに
最も有効であると判断したのだ。
とても小学生とは思えない。
しかしそんなことよりも、私には、彼女のさくらに対する
よそよそしさの方が引っ掛かっていた。
知世は、さくらの親友ではなかったのだろうか。

383 :ひわ=368(以下略):2001/02/10(土) 04:20
私には、あの夢の世界のどこまでが現実で、どこからが
空想の産物なのかを判別できる程にあの少女を知らない。
何も知りはしない。

「そうだね。今は色々と問題があるから…。
まずは、彼女が回復して、学校に通えるようになってから
だと思うよ」
言葉を濁すしかない私。
年端もいかぬ少女の射貫くような視線が痛い。
中途半端な自分への後ろめたさが、そう思わせるのかも
しれなかった。
彼女は柔和で淑やかな印象であるというのに。

#なんかスミマセン。
#まださくらたんが出てこない。知世様無口だし。

384 :ひわ=368(以下略):2001/02/10(土) 04:52
指の震えを悟られぬように、口をつけていなかった
ハーブティー。
いつもはどうやって細いたった二本の指で支えていたのだろうか。
こんなに重いのに。
(他人に隙を見せてはいけない)
(他人に心を許してはならない)

いつも穏やかに、謙虚に。
誰に対しても慈しみをもって接しなければならない。
誰よりも道化であらねばならない。
周囲の人間より恵まれているから。優れているから。

385 :ひわ=368(以下略):2001/02/10(土) 05:13
あの母が、実は周囲の誰にも心を開いていないことに
気づいたのは随分幼い頃だった。
彼女が本当に全てを曝けだしていたのは、ただ一人だけ。
そして、その人はもういない。
そういえば、誰にでも簡単に心を開いてしまう子がいたけれど。

冷めた紅茶は、それでも乾いた唇を潤すには役立った。
微かなローズマリーの香り。
「木之本さんに…、お会いできますでしょうか?」


#どうでもいいけど花言葉
#Rosemary◆ローズマリー Rememberance あなたの存在は私を甦らせる、記憶

386 :ひわ=368(以下略):2001/02/10(土) 05:14
蛇足ですみません。
私=丹下さんです

今日はもう寝ます・・・

387 :ひわ=368(以下略):2001/02/10(土) 05:17
重ね重ねすみません。
384〜385に主語が。
知世の独白です。

388 :CC名無したん:2001/02/15(木) 04:09
おい、もうやめたのか?

389 :ひわ:2001/02/15(木) 04:34
まだやめてないですー。
コミック読破途中なので。
明日、明後日には必ず。

390 :ひわ:2001/02/15(木) 04:57
(と、思ったけどやっぱ書きました)

こんこん。
いつもより心持ち緊張しつつ、さくらの部屋をノックする。
ガードレディーとやらは、知世に付き添いたい様子だったが、
目で制せられてた。
ぶかぶかのスリッパを引き摺らないように、背筋を伸ばして
階段を上がる。
腰の低い態度に惑わされがちだが、気位の高い少女なのだと思う。
柔らかな漆黒のウェーブに隠された、
その表情は全く読めない。
「さくらちゃん?入ってもいいかな」
三秒待って、そっとノブを回す。
青い闇に浮き上がる少女。
月光が淡く頬を照らす。
「さくらちゃん。大道寺知世さんだよ」


391 :ひわ:2001/02/15(木) 05:36
窓に向かって人形のように腰掛けている少女に、もちろん反応はない。
私はさくらの元に歩み寄って跪くと、ひらひらと鼻先で手を振ってみた。
無反応。
予想はできていたことだ。が、見舞にきてくれた幼い少女の前で、
このような友達の変わり果てた姿を見せるのは、やはり偲びなく、
やり切れない。
とりあえず、さくらをドアの方に座り直させる。
さくらの、少なくとも瞳は知世へと向けられた。
スカートの裾を整えて、さて、なんとフォローすればよいものかと顔を
上げる。
しかし、そこには既に知世の姿はなかった。



392 :ひわ:2001/02/15(木) 05:39
>>390
×目で制せられてた。
○目で制せられていた。

です。失礼しました。

393 :x:2001/02/18(日) 20:32
こんばんは
まだ生きてたんだね、このスレ

394 :j:2001/02/19(月) 16:11
わ〜い♪xさんまださくら板を見捨ててなかったんですね

395 :CC名無したん:2001/03/07(水) 01:01
あの、ひわさん続きは?

396 :CC名無したん:2001/03/12(月) 00:43
思い切ってあげ。

まだ読んでない人は必ず読もう。
未完の作品を誰でもいいから(本人が一番いいけど)終わらせよう。


397 :CC名無したん:2001/03/12(月) 01:14
本人って?

398 :CC名無したん:2001/03/12(月) 01:19
>>397
書き始めた人じゃない?
このスレたてて一番はじめに書き始めたのは完結してるけど
途中で書き始めた(分岐した?)のは終わってないからさ。

399 :CC名無したん:2001/03/13(火) 22:41
あげてみる

400 :CC名無したん:2001/03/13(火) 22:59
これで誰かCCさくらの音楽付きのフラッシュ作れ〜

401 :CC名無したん:2001/03/30(金) 01:23
ぉ?



402 :CC名無したん:2001/04/19(木) 07:09
アナザーストーリーが止まっているようだし、引きずりageてみるか。

403 :CC名無しさん:2001/04/19(木) 08:03
ひわは何処いった?

404 :CC名無したん:2001/05/09(水) 11:27
そこはかとなく、あげ

405 :purplemeteo:2001/05/09(水) 19:08
あとは、おまえらが考えろってことでは?

406 :CC名無したん:2001/05/09(水) 20:21
仕方が無い、続きは俺が書こうか?

407 :名無しさん:2001/05/09(水) 21:36
よかった・・・

408 :もう誰も見てないな、しめしめ…:2001/05/17(木) 13:13
>>335

唐突に、玄関前で複数台の車のスキール音が鳴った。
私がそれに気付くと同時に観月さん…
「歌帆 で構いませんよ、あなた」

…歌帆から念話がはいった。赤面しつつそれに答える。
「お客様のようですね」
「ええ、予期してはいましたが」
「私はさくらさんに手一杯です。お客様のほうは」
「もとよりその覚悟です。お任せください。」

彼女には単に私の独り言に聞こえたのだろう。知世は私に
いぶかしげな視線を投げかけていた。


409 :子猫ちゃん:2001/05/17(木) 21:16
>むぎゅっこさん
今更、感想を書くなんて、時期遅れ・・・かな?
ぐいぐい引き込まれそうな世界観が素晴らしいです!
ご苦労様でした。



410 :ハニャソ:2001/05/17(木) 23:34
あの世界ではさくらたんのみが常人であるところ・・・
いや、変人が多数を占めてるあの世界はさくらたんこそ変人なんだね・・・

411 :CC名無したん :2001/05/31(木) 00:13
age

412 :まだまだ小狼:2001/05/31(木) 01:29
x氏のだけでも完結話を読みたいな。

413 :☆名無しDay☆:2001/06/05(火) 22:33
age

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